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大手広告ビジュアル制作会社から脱サラして起業


その後、広告ビジュアル制作会社にヘッドハンティングされ転職するものの、やはり頭から離れなかったのは、TOP BANANAで得たワクワク感だ。
「40代に入って、本当に自分は何がやりたいのか? に立ち返ったとき、真っ先に思い浮かんだのはTOP BANANAでの経験でした」。
本当に自分が面白いと思ったものを人に伝えたい、という信念が、かきぬまさんを独立に駆り立てた。
「例えばアウトドアブランドの広告でも、実際に山に登ってテントを張って……って経験をしていない人が、ほとんどコピーを書いている。でも実際に体験したことじゃなければ、それは『本当』とは言えないし、伝えようとしてはいけないんじゃないかと思うんです」。
それは長年、広告の世界にいたからこそ感じ続けていた違和感でもあった。こうしてかきぬまさんはTOP BANANAを動かしはじめ、自身の内なる声を大切にして、働いていくことを決める。
「アウトドアブランド『muraco』は1年間PRを担当してましたが、たぶんmuracoの人よりも僕のほうがテント泊の回数は多いいんじゃないかな?(笑)。この商品でどれだけ楽しいことができるか、それを身をもって体験、消化することで、自分の声で伝えていきたいんです」。


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