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2018.10.30

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大衆の味方・レモンサワーは繊細な違いを楽しむ新時代へ突入した

最近、レモンサワーがブームらしい。
冷凍レモンを氷代わりに使ったり、輪切りのレモンをグラスに飾り付けてみたり、美味しいうえにインスタ映えもするのだから流行るのも頷ける。
であれば、焼酎のサードウェーブの真っ只中でもある今、このふたつのブームをミックスすれば、かつてない大波が生まれる……などと言えば大げさかもしれないが、実際に浅草の焼酎バル「利左衛門」では、“本格焼酎で作るレモンサワー”が人気らしい。

利左衛門の店主・和泉孝司さんは言う。
「一般的なレモンサワーは、クセのない甲類焼酎の炭酸割りにレモンやレモンシロップを入れて楽しむものです。しかし私たちはレモンをアシスト役とすることで、乙類の本格焼酎の味をさらに引き立てる、そんなレモンサワーを提案しています」。
焼酎を主役にしたレモンサワー。言い換えれば、焼酎の数だけレモンサワーにバリエーションが生まれるので、例えば100種類の焼酎があれば、100通りのレモンサワーがあるということになる。そうとなれば、自分好みの「焼酎レモンサワー」を見つけ出したくもなってくる。
実際に利左衛門では、どんな焼酎を使ったレモンサワーがメニュー化されているのか。さっそく探ってみたので、ぜひ参考にしてほしい。
利左衛門では、焼酎レモンサワーの専用メニューまで用意されている

 

■繊細な違いを楽しむ。個性豊かな焼酎レモンサワー7選!

①伊佐小町(芋)/大口酒造 


まずは以前も紹介した「伊佐小町」。鮮やかなオレンジ色のさつまいも「 ハマコマチ」を原料としたこの焼酎はトロピカルフルーツを彷彿させるフルーティな香りが特徴で、柑橘類のレモンとはまさにベストマッチ。
 

②麗月(芋)/指宿酒造


樽貯蔵は難しいといわれてきた芋焼酎だが、こちらの「麗月」はカシ樽で熟成させることに成功した逸品。喉ごしが良く、木の芳醇な香りとレモンの爽快さが絶妙なハーモニーを生み、楽しみながらグイグイいける一杯となる。
 

③しま安納(芋)/高崎酒造


「しま安納」は、言わずとしれた鹿児島の特産品「安納芋」が原料。安納芋は糖度が高く、甘い香りが特徴的で、地元では「安納芋のレモン煮」という料理があるほど。そりゃあレモンサワーにしても合うに決まってるよね。
 

④青鹿毛(麦)/柳田酒造


「青鹿毛」は麦の香ばしさが強烈な、ハードな麦焼酎。その個性はレモンサワーになっても健在で、まるで「麦とレモンのしばき合い!」と和泉さん。クセのないレモンサワーに慣れているアナタこそ、こんなレモンサワーで冒険してみては?
 

⑤喜界島(黒糖)/喜界島酒造


奄美の黒糖を原料にした、ほんのりと甘みのある黒糖焼酎「喜界島」。甘くてまろやかな黒糖の香りと酸味ある爽やかなレモンの香りが鼻腔を刺激する。蜂蜜レモンならぬ、黒糖レモンなサワーは、美味しすぎてついつい飲みすぎてしまうかも。
 

⑥茉莉花(ジャスミン)/サントリー


「茉莉花」は、甲類焼酎にジャスミンの茶葉からつくられた本格焼酎の原酒を加えた変わり種。ジャスミンの華やかさを楽しめる、オリエンタルなレモンサワーだ。こういう変わり種こそどんどんレモンサワーにして試してみると、新たな発見も生まれるかも。
 

⑦タカラボシ梅酒(梅酒)/本坊酒造 星舎蔵


「タカラボシ梅酒」は焼酎ではなく梅酒だが、これを作っているのは老舗の焼酎蔵・星舎蔵。香料や着色料などの添加物を一切使っておらず、ナチュラルな香りと果実味を楽しめる。梅とハチミツとレモン、間違いのない組み合わせをレモンサワーでどうぞ。
 

自宅で絶品焼酎レモンサワーを! 押さえるべき3ステップ

利左衛門の焼酎レモンサワー。その作り方はいたってシンプルだ。誰もが自宅で焼酎レモンサワーを楽しめるように、和泉さんにその秘訣を伝授してもらった。お好みの本格焼酎、炭酸水、そして8等分したカットレモンを2つ用意したら、次の3ステップを踏んで、さっそく乾杯だ!

<押さえるべき3ステップ・レシピ>
①グラスいっぱいに氷を入れ、焼酎とカットレモンを1つ絞り入れる。中の液体をグラス内でよく混ぜて、キンキンに冷やす。エグみが出てしまうので、レモンは絞りすぎないように。
②焼酎の倍量ほどのソーダを、氷に当てないようにそっと注ぐ。スプーンで2回ほど、下から優しく氷を持ち上げるようにして炭酸と焼酎を混ぜる。
③最後に、もうひとつのカットレモンをグラスの縁に一周、軽く塗って香りを付ける。「グラスの縁にレモン果汁を塗ることで、グラスを香らせるのと同時に、口につけたときに酸味による清涼感が広がります」(和泉さん談)。残ったレモンは絞ってなかへそのままIN。入れたあとのステアは不要だ。
和泉さんたちの提案する焼酎レモンサワー。お客のなかには、それらの個性比べが楽しくて、すべてのレモンサワーにトライしようとする人もいるという。
焼酎は種類が多いだけでなく個性も豊かで、その楽しみ方はさまざま。ロックや水割りが飲みにくければ、ハイボールにするもよし、変わり種を試すもよし、レモンサワーにするもよし。焼酎を「ジジくさい酒」と決めつけるなんてソンソン。
焼酎の世界観を広げられたら、晩酌の楽しみもグッと広がるはずなのだ。
 
[取材協力]
雷門焼酎バル 利左衛門
http://asakusa-rizaemon.com
03-6231-7706
ぎぎまき=取材・文


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