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次に、チューダーのデザインに目を向けてみよう。ケースにオイスターケースが採用されているため、一見、ロレックスに近い質実剛健な印象を受けるかもしれない。しかし、チューダーの魅力はそれだけにあらず。その面白さはむしろ針やロゴといったディテールにある。

例えば、同社のアイコンの一つにもなっている「スノーフレーク針」。1960年代に誕生し、主にダイバー系のモデルの時針として用いられてきたこの針は、ヴィンテージの世界でも人気が高い。現在、この針はチューダーの多くのモデルに採用されている。
また、カラバリの面白さも、チューダーならではの魅力と言えるだろう。特にヴィンテージデザインを現代に甦らせた「ヘリテージ」ラインで目につくのがブルーやオレンジ。挿し色を効果的に使っていて、ほかにない楽しさがある。
左●40万円、右●43万円※ともに予価/ともにチューダー(日本ロレックス 03-3216-5671)
ロレックスの持つ質実剛健な印象に、ちょっとした「遊び心=ディテール」が共存する。これこそが、チューダーがファンを引きつけてやまないポイントだ。
 

1日18本しか作れないファブリックストラップ

見た目上の特徴として、もう1つ無視できない存在が、ファブリックストラップだろう。一般に「NATOバンド」とも呼ばれるこのストラップは、その名の通り、もともとはミリタリーの世界で使われてきた。今でこそ多くのブランドが選択肢の1つに用意しはじめたが、チューダーでは半世紀近く前から、オリジナルストラップとして製造してきた。
TUDOR
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その背景には、1950年代〜1970年代にチューダーのサブマリーナが、フランス海軍、そしてアメリカ海軍の支給品として採用されていた事実が大きく関係してくる。軍に納品した時計がファブリックストラップを装着して使用されていることを知ったチューダーは、その魅力を発見。ブランドとしても独自に製造するようになったという。
現在はフランス・リヨンのサン・テティエンヌにあるジュリアン・フォア工房でファブリックストラップを製造しているが、これがとにかくすごい。木製の古い織機で織ることができるファブリックは、1日にわずか6m。1mで作ることができるストラップは3本のみというから、1つの機械で1日に作られる本数はわずか18本ということになる。
とにかく質感がよく、サテンのような肌触りで着け心地は抜群。それでいて、ガンガン洗うこともできる。使い込む程にアジが出る、デニムのように楽しめるストラップなのである。



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