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知れば知るほど広がる「コーヒーの世界」

最後に中島さんは、コーヒーをより深く楽しむための小技も教えてくれた。例えば、カップ選び。
「カップの飲み口の形状によって、コーヒーの味わいは変化します。飲み口の広がったカップなら、口に含まれた液体も全体に行き渡りやすく、複雑な風味を味わえる。逆に飲み口のすぼまったチューリップ型のカップなら、中に空気がたまり、鼻に近づけると芳醇な香りを満喫できる。同じ豆でも、容器の形状を変えるだけで、新たな魅力を見つけられると思いますよ」。
トアルコトラジャ専用のカップ。多彩な風味を感じられるように、飲み口は外側にほんのりカーブしている
あまり気にしたことがないかもしれないが、それだけで随分と味わいは変わるのだ。とはいえもっとも味わいを左右するのは“豆”そのものだということは疑いようがない。
「ブレンドを選ぶときは、ぜひパッケージやPOPに記載されている生産国名をご覧になってください。一番目に書いてある“主役”の豆だけを見ている人も多いと思いますが、これからは主役の次に多い豆も確認してみましょう。主役を邪魔せずに引き立てる“名脇役”なのか、別の風味を与えて印象を変えるための“パートナー”なのか。どんな味わいを目指してブレンドしているのか読み取れるかもしれません」。

知識を知れば知るほど、楽しみ方も広がっていく。コーヒーの世界は奥が深い。
【取材協力】
キーコーヒー直営ショップ
佐藤宇紘=取材・文


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