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若手のクレームは「話半分」に聞く

特に若手は、認識能力が低いからではなく(むしろ、オッサン世代のほうが組織についての認識が固定化しがち)、ポジションが低いために目の前のことしかわからず、俯瞰的に物事を見ることができないため、言っていることが事実と異なることが多々あります。
そのため、タイトルのようなクレームが若手からあったとしても、上司としての我々オッサン世代はすぐに鵜呑みにするのではなく話半分に聞いておき、とりあえずは「あなたはそう思っているんだね」という感じで受け止めてみてください。
真実=客観的な事実かどうかはいろいろ調べてみないとわかりません。ですが、目の前の若手が「そう思っている」ということは事実、いわゆる「心理的事実」ですし、人はこの「心理的事実」で動くものですから、尊重しつつも鵜呑みにしないという態度が重要です。
その上で、きちんと周辺調査を行えば、実際に嫌がらせがあったのか、逆に嫌がらせをされたと言っているほうが、周囲に迷惑をかけているのを棚に上げて、批判されていることを嫌がらせと言っているだけなのかがわかることでしょう。真実がわかればそこから対処をしても遅くありません。拙速はNGです。

そもそも若手も解決を望んでいないことも

また、上司に若手が何かを訴えかけてくるときに、まれに解決を望んでいないこともあります。なんと不思議な、と思うかもしれませんが、解決してほしいのではなく単に聞いてほしいということがあるのです。
私も経験したことがあります。ある会社で受付のマネージャーをしていた際、ある受付の社員から、先輩社員から意地悪をされていると訴えかけられました。まだ若く正義感の強かった私は、「それはひどいね。僕から彼女にきちんと言っておくよ!」と熱くなって言うと、とたんにその社員は、「いえいえ、少し待ってください。そういうことではないんです。直接曽和さんに動かれると、もっと人間関係が悪化してしまいそうで……」「あと、私も悪いところがないわけではないので……」と止めに入ってきました。
要は、原因は自分にもあるものの、辛い状況ではあるので、上司である自分になんとなくフォローをして欲しい、くらいのことだったのだと思います。それをもし拙速に動いてしまっていたら、その受付社員の立場は危うくなってしまったかもしれません。


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