職場の20代がわからない Vol.24
30代~40代のビジネスパーソンは「個を活かしつつ、組織を強くする」というマネジメント課題に直面している。ときに先輩から梯子を外され、ときに同期から出し抜かれ、ときに経営陣の方針に戸惑わされる。しかし、最も自分の力不足を感じるのは、「後輩の育成」ではないでしょうか。20代の会社の若造に「もう辞めます」「やる気がでません」「僕らの世代とは違うんで」と言われてしまったときに、あなたならどうしますか。ものわかりのいい上司になりたいのに、なれない。そんなジレンマを解消するために、人材と組織のプロフェッショナルである曽和利光氏から「40代が20代と付き合うときの心得」を教えてもらいます。
「職場の20代がわからない」を最初から読む社員の職場認識はかなりバラバラ
今回のテーマは「事実」です。ある組織の中の人が、その組織に関するさまざまなことを認識する際に、それが一致しているということはほとんどありません。「うちの会社はビジョンがない」「経営陣は判断がぶれている」という経営に関する認識、「部署間に壁があってコミュニケーションが取りづらい」「フラットな組織で意見が言いやすい」という文化や風土に関する認識、「あの人は部下思いで面倒見の良い上司だ」「あの人は日和見主義で上の意向ばかりうかがっている」という人に関する認識とさまざまあります。
しかし、私がこれまで人事部長や人事コンサルタントとして、内から外から多くの組織を見てきた経験から言えば、どんな会社でもそういった組織に関する認識にはバラツキがあり、中には180度違う意見が並立していることも珍しくはありません。
理由はいくつもありますが、簡単に言えば、立場が違えば見え方が違う、利害が絡めば認識は歪む、ということです。人は自分にとって有利なように物事を解釈するものです。組織であっても例外ではありません。
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