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2016.12.15

ファッション

種さん流・古着術は「ウンチクよりもフィッティング」

「お洒落であるより、格好良くありたい」と言う種市暁さんのスタイルに本誌が注目し、“種カジ”と勝手に命名して早数年。いつもパッと見の印象は無造作なのになぜか格好いいから不思議。そんな彼の装いの“タネ”をムリヤリ解説してもらう企画。今回はオーシャンズウェブでは未公開だった2016年12月号の「種カジ」をご紹介! 
おっ、種さん。今日はミリタリージャケットですか、いいですね。
「古着ですよ。LAで買いました」。
へー、古着も着るんですね。
「そりゃ渋カジ世代ですから。地元の門前仲町から自転車で上野・アメ横の中田商店に通いましたよ。掘り出しものを発見するのが楽しかったなぁ」。
ってことは、さぞかしウンチクがあるんでしょうね、そのジャケットも。
ジャケット/ヴィンテージ、Tシャツ/ユニクロ、パンツ/クラウディ クラウディ、靴/クラークス オリジナルズ、サングラス/レイバン ※すべて私物
「ノンノン。今大事なのは肩書じゃなくて、“サイズ感”と“使える感”です。これはオーバーサイズでコートっぽく羽織ろうかなって即決。タグには……リチャード・ウィン・エンタープライズって書いてあるけど、知ってる?」。
いやー、詳しくないんで。
「実はイケてないブランドだったらどうしよう」。
でも、ウンチク無用ですもんね。
「そうそう。基本的に手持ちの服と合いそうなものを選ぶんで」。
古着は嫌いじゃないですが、オッサンになった今、清潔に着こなせるかも不安。「だから、上下オリーブでセットアップ風にしてるんです。季節的にはクロップト丈スウェットパンツで軽快感を出しつつ、相性抜群の黒で引き締める」。
なるほど、確かにカンタンだ。これにダメージデニムじゃ古着感全開になってしまいますもんね。Tシャツはユニクロ。「フィット感最優先でね」。
(スマホをいじりつつ)このジャケット、USアーミーに卸してたホンモノみたいっすよ。
「マジ? 無頓着に手に入れたらリアルってスゴくない?」。
って、ウンチク気にしてるじゃん!
 

素晴らしい古着だって着られなきゃ意味はなし


「古着選びのポイントは、新品同様にデザインとサイズ感。ウンチク重視になると似合わずにタンスに眠るハメに」とは、種さんの経験談。さりげなく入った胸ポケットのステンシルも、見た目重視で選んだディテールだ。でも、裏側に貼ってあるタグでリアルミリタリーと知り、まんざらでもない様子。

 

古着スタイルっぽく見せない色選び


「クラークスのデザートブーツは僕ら世代のマスターピースですよね。それがまた今気分で」。でも、この日選んだのは定番のベージュではなく黒。「いかにもに見せたくなかったので。ソールまで黒でシックなんですよ」。
 

ミリタリーテイストに相反する甘いフレーバー


「服が辛口なので香りで逆を行くのがいいかなって」と選んだのは、南仏ブランドのマドエレンのロールオン。甘く優しいアンバー系の感じがお気に入りだ。扱いやすさもポイント。
 
PROFILE
たねいちあきら●1972年生まれの45歳、東京下町出身。サーフィンを愛する海男。長年勤め上げたビームスを退社し、現在はフリーランスとしてブランドのコンサルティングやプロダクトのディレクションなどを手掛ける。種カジのこぼれネタがポストされるインスタグラム(@taneichiakira)もチェック!

山本 大=写真 髙村将司=文


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