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2018.10.08

ライフ

「実家の農場を大きくする」という夢を、IT事業で実現する男

連載「37.5歳の人生スナップ」
人生の折り返し地点、自分なりに踠いて生き抜いてきた。しかし、このままでいいのかと立ち止まりたくなることもある。この連載は、ユニークなライフスタイルを選んだ、男たちを描くルポルタージュ。彼らの生活・考えを覗いてみてほしい。生き方のヒントが見つかるはずだ。
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「実家の農場を大きくしたい」。そのために自分にできることとは?
実家が自営業や農家など、家族ぐるみの経営をしている場合、どこかのタイミングで「家業を継ぐべきか否か」という問題に直面する。
松本鉱大さん(33歳)の実家は、北海道美瑛町にある「松本農場」。北海道のほぼ中心に位置し、なだらかな丘陵地帯が続くこの町には「青い池」などの観光名所もある。東京ドーム10個分の敷地面積を誇る広大な畑と共に、松本さんは生まれ育った。祖父の代から続く農場経営。メインで育てているのは、「男爵」や「インカのめざめ」など7種類のじゃがいもだ。


「学校から帰ってきたら収穫の手伝いをするなど、子供の頃から当たり前に農場の仕事を手伝わされていました」。
4人兄弟の長男坊。当然、農場を継ぐことも視野に入れて育ったのかと思いきや、意外にも「まったく考えていなかった」と笑う。
「トラクターとかに興味が持てなかったし、好きじゃなかったんです。でも実家を大きくしたいという夢は、子供心にずっと持ち続けていました。だから自分ができることで、農場や地元を支援する職に就こうと思っていました」。
農場の仕事は、自分には向いていない。でも家業を大きくしたいという気持ちはある。そんな思いを持った松本さんは、現在Web事業の側面で松本農場を支えている。以前は大手一部上場企業で、役員まで務めた経歴をもつ松本さん。役員を辞め、独立するに至った経緯を教えてもらった。


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