珠玉の一杯にランクアップする「淹れ方」と「飲み方」
せっかくこだわりの豆を用意したなら、よりおいしく味わいたいもの。石川さんは、3つの豆に共通する淹れ方、飲み方のコツも教えてくれた。
「ペーパードリップで飲むなら、豆の粗さは中細挽きが基本。アレンジする場合、少し粗挽きにすると酸味を、細挽きにすると濃厚なコクを楽しめます。湯の温度は90度がベースですが、85度くらいに抑えてあげても味の安定感がグッと増しますよ」。
淹れ方のコツはさまざまだが、なかでも大切なのが“蒸らし”だ。
「焙煎したコーヒーの内部には、炭酸ガスが溜まっています。これを放出しないと、おいしさの成分も引き出されない。ドリッパーに粉をセットしたら、ごく少量の湯を注ぎ、そのまま30秒から1分ほど置きましょう」。
それを終えたら、細い湯を「の」の字を描くように繰り返し注いでいく。3分半〜4分で抽出を完了できると、深いのに濃すぎない絶妙なバランスに仕上がるという。
渾身の一杯を淹れたら、あとはどう飲むか。石川さんは、コーヒーのどんな風味にセンサーを張るべきかも教えてくれた。
「まずはカップを手で覆い、鼻先を近づけて香りを楽しみます。コーヒーを口に含んだら、舌の側面に当たるすっきりとした酸味を味わいましょう。液体を飲み込んだら、鼻の奥に戻ってくる余韻を探してみてください」。
栽培から携わり、ディテールにこだわったタリーズコーヒーの豆。飲み比べるうちに舌も鍛えられ、違いのわかるオトコになれそうだ。朝の一杯、休日のリラックスタイム、アウトドア。流れゆく日常の端々に、ワンランク上のコーヒーを取り入れてみてはいかが?
佐藤宇紘=取材・文