リラックスタイムのよき相棒。「ダッチマンズブレンド」
最初に紹介してくれたのは、オリジナルブレンド「ダッチマンズブレンド」。ビターな味わいがウリの、大人のコーヒーだ。
「コーヒーの“三大産地”と呼ばれる中南米、アフリカ、アジアの豆を配合し、複雑な風味に仕上げました。後味もスパイシーで、スッと引いていく“キレ”を楽しめます。また、コーヒーの味はその年の気候によって変わるもの。味のコンセプトに合わせて日々調整しています」(石川さん、以下同)。
ダッチマンズブレンドには、さらに面白い特徴もある。
「淹れたてはビターなコーヒーですが、冷めてくると味のトゲもなくなり、丸い口当たりに変化します。いわば、一杯で二度おいしいコーヒー。休日のリラックスタイムなど、じっくり時間をかけて飲みたいときにおすすめです」。
食べ合わせには、ガトーショコラなどの濃厚なスイーツを。味の濃さを合わせることで、コーヒーの風味がより引き立つという。
フレッシュな朝の一杯に。「ブラジル ファゼンダバウ」
次に教えてくれたのは「ブラジル ファゼンダバウ」。10年以上にわたり、産地と提携して作られてきた不動の人気商品だ。
「ナッツのような香ばしさを楽しめる、すっきりとした口当たりのコーヒーです。砂糖やミルクを入れなくても、ほんのり甘みすら感じられます。苦味は適度で、好みも分かれづらいため、ビギナーの方でも安心してお召し上がりいただけますよ」。
フレッシュな一杯は、モーニングコーヒーやキャンプなどのアウトドアシーンにもぴったり。ブラジルの提携農園で栽培されている豆らしく、尋常ならざるこだわりを感じる。
「苗木を植えるところから作っており、収穫までは1年半から2年ほど。コーヒーの開発担当者自ら現地に赴き、農園と一緒に植樹や収穫、10年後の計画まで立てています。もともと“理想の豆”を見つけられずに始めたことなので、ディスカッションは非常に濃密です」。
農家ごとの味を楽しむ「マイクロロット」
最後に紹介してくれたのは、毎秋リリースされる期間限定の「コスタリカ マイクロロット」シリーズ。なんでも「マイクロロット」という特殊な方法で入荷しているそうだが、どんな“ひみつ”があるのか。
「コーヒーは通常、農家が収穫した豆を組合などで集め、それらを混ぜて出荷するもの。しかし豆の品質や特徴は農家ごとに異なるので、せっかく品質の高い豆があっても埋もれてしまいます。マイクロロットとは、農家ごとに豆を入荷して精製する方法。タリーズでは毎年、現地で品評会を開催し、農家の豆を数種類まで厳選して仕入れています」。
今年は6つの農家から豆を入荷し、関東や関西など地区に分けて販売しているが、数量が限られている。高田馬場店で販売しているのは、石川さんのようなコーヒーマスターの常駐店でしか購入できない22店舗限定の「Lot No.21 Cedral」だ。
「フルーティーで華やかなコーヒーです。すっきりとした口当たりと、パッションフルーツやドラゴンフルーツのような風味を楽しめます。もちろんほかの5種類も、コスタリカの同じ産地とは思えないほど異なる個性を持っている。お客様のなかには、飲み比べるために他県へと“はしご”される方もいますよ」。
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