古くからの時計愛好家にはノスタルジックでも、若い世代にとっては新鮮…… 今回のラインナップは、そんな「温故知新」な時計。
王道の名作というよりも、時代感の息づくレトロテイスト漂うタイプで、そのフォルムは今見ても強い個性を放ち、腕元での存在感もより際立つ。
BREITLING
ブライトリング/スーパーオーシャン ヘリテージ Ⅱ 46
海中への冒険心にさらに磨きをかけたダイバーズ2017年に誕生60周年を迎えたオリジナルモデルは、当時のダイビングブームの高まりとともに、多くのスポーツダイバーに高く支持され、海の世界でもブライトリングの名を知らしめた。
本作はこのデザインを受け継ぐ一方、ハイテクセラミック製ベゼルや光沢感のあるブルーの文字盤など、モダンなディテールも加えられている。12時位置のロゴはオリジナルと共通だ。
GLASHÜTTE ORIGINAL
グラスヒュッテ・オリジナル/セブンティーズ・パノラマデイト
セブンティーズスタイルにドイツの技術を注ぐ1970年代はあらゆる技術革新とともに新しいライフスタイルの下、クルマや飛行機、インテリア、ファッションなどさまざまな分野でニューデザインが生まれた。
そうした当時のスタイルを、有機的なカーブで表現したのがセブンティーズである。搭載するパノラマデイト付きの「キャリバー39-47」は、ケースバックから鑑賞することが可能。
VACHERON CONSTANTIN
ヴァシュロン・コンスタンタン/ヒストリーク・アメリカン 1921
狂騒の1920年代アメリカがエレガントに甦る
ヒストリークコレクションは、伝説のモデルをモダンなアレンジによって甦らせ、ブランドの伝統をアピールする。リュウズを右上に設けることで流麗なクッションケースのラインを活かすとともに、文字盤をやや回転させ、手首に着けた自然な状態で正対するようにデザインされた。
これは特にクルマのドライビング時を想定し、さまざまな都市文化が花開いた1920年代のアメリカ市場向けに開発されている。文字盤表面を粗いサンドブラストで仕上げているのも特徴だ。
PANERAI
パネライ/マーレ ノストゥルム アッチャイオ-42mm
失われていた歴史を甦らせたレアなクロノグラフ
クッションケースやリュウズプロテクターといった一般的なイメージに反し、パネライ初のクロノグラフはそれとは趣が異なっていた。1943年にイタリア海軍の甲板将校用に少量生産されたが、それも’66年のフィレンツェ大洪水で散逸。
残ったわずかな資料を基に’93年に初めて復刻された。そして数年前オリジナルのプロトタイプ数点が発見されたことで、止まっていた針は再び進み始めたのである。本作はそのプロトタイプと’93年モデルを再現し、ブルー文字盤を採用した。
ZODIAC
ゾディアック/オリンポス
ゴールドに輝くスティングレーケースゾディアックは創業130年以上を誇るスイスの名門で、このオリンポスは1961年に誕生した個性派時計をモチーフにしている。リュウズを2時位置に備え、まさにエイを思わせる独特の“スティングレー”シェイプのケースを再現しているのが特徴だ。
さらに文字盤は4分割したサンレイ仕上げを採用し、ほかにはないオリジナリティを演出している。ゴールドカラーとの相性も良く、レトロテイストが楽しめる1本だ。
BULOVA
ブローバ/オーシャノグラファー “デビル ダイバー”
魔の数字をあえて記したディープダイバーズそれまで300フィート(約90m)の防水性が一般的だったダイバーズウォッチに、666フィート(約202m)防水を与え、1970年代に一躍人気を呼んだオーシャノグラファーを復刻。ペットネームのデビル ダイバーは、水深数の666が魔の数字であったため。
またこの復刻は、アンティーク時計サイトとのコラボレーション企画によって誕生しており、愛好家の投票によって実現された。
その他にも
>未来を見る男の名刺代わりとなる、“古きをたずね、新しきを知る”時計はコチラ※本文中における素材の略称:K18=18金、PG=ピンクゴールド、SS=ステンレススチール
星 武志(エストレジャス)=写真 石川英治(Table Rock. Studio)=スタイリング