メルセデス・ベンツの新型CLSクーペと新型Gクラス。かたや流麗なフォルムでセクシーさが自慢の4ドアクーペ、かたや武骨なクロスカントリー4WD。価格差もあればジャンルも違う。両者をじっくりと比較検討して買う人はほぼいないだろう。
だがこの2台のユーザーは意外にもお互い近いところに存在しているのではないだろうか。
それぞれの最大の魅力はデザインにあると思う。
CLSは4ドアセダンにクーペフォルムを纏った「4ドアクーペ」という新市場を2005年の初代登場とともに切り開き、何よりも見た目の美しさを最優先した、当時としては革新的なデザインで初代は爆発的ヒットとなった。
その3代目となる新型はさらにエレガンスと力強さが増している。またメルセデス・ベンツの新デザインコンセプトを掲げた第1号としてリリースされていることからも、CLSは次世代の“メルセデスデザイン”を象徴するクルマなのだ。
一方、Gクラスは燃費性能を最大化することに重きを置く時代の流れとは逆行するが、初代から続く伝統のスクエアボディは新型にも採用され、多くのファンを喜ばせた。
本格オフローダーとラグジュアリーサルーン。見た目と性能がまったく異なるこの2台。そのポイントを見ていこう!
MERCEDES-BENZ CLS COUPÉ
メルセデス・ベンツ CLSクーペ
全長5000×全幅1895×全高1430mm
総排気量:1949cc
燃費:11.9〜18.6km/L
2005年に初代が登場し「4ドアクーペ」という新カテゴリーを開拓したCLS。居住性より見た目の美しさを重視したクーペデザインで爆発的ヒットに。今夏のフルモデルチェンジで3世代目となり、デザインはより洗練され、安全性、快適性も大幅にアップデート。799万円〜。
枝葉末節にも美しさ優先の考えが
通常、ドアウインドーにはガラス保持用の強度や密閉性を高めるためにフレームがあるが、見た目のカッコ良さを重視するCLSクーペはオープンカーのようにウインドーが剥き出しのサッシュレスタイプとなっている。
すべてが集約されたワイドモニター
車内に乗り込んで最初に目に飛び込むのが運転席からセンターまで続く、2枚の12.3インチディスプレイを組み合わせたワイドモニター。ナビやスピードメーターなどはもちろん、多くの情報や機能がここに集約され、表示される。
後席頭上はやや狭めでも、実用度は十分
ベースであるEクラスのセダンと比べれば、クーペデザインゆえにスペースは制限される。それでも乗車定員は先代の4名から5名に変更され、大人3名が後席に座っても窮屈さはなく、特に足元などは十分な広さとなっている。
見た目以上に広いトランクルーム
トランクルームの容量はデザインの犠牲になっていそうなものだが、ベース車両のEクラスセダンが540L、ひとつ上のSクラスが510L。対して、CLSクーペは490Lとほぼ同水準。奥行きもあるため長モノの収納もしやすい。
ロングドライブで進化を発揮する走り
路面や走行状況に合わせて車高を変化させる機能を標準で備え、高速走行時やコーナリング時 には重心を落として車両を安定させるなど、見えないところでドライバーをサポートしてくれる。見た目だけでなく走りも非常に優雅。
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