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Apple Watch Series 4には、心拍センサーに加え、心電図(ECG)測定機能も内蔵されたのだ。米国食品医薬品局(FDA)の認可を取得しており、手首の腕時計でいつでも心電図を取ることができ、PDFで出力して担当医に提出し、診察に役立てることができるようになる。
なお、日本向けのApple Watch Series 4では心電図の機能は当面利用できない模様だ。医薬品医療機器総合機構のウェブサイトによると、心電図(ホルタ解析装置)はクラスIIの管理医療機器に分類され 、解析用プログラムはJIS規格で定められている。心電図を測定するには、アップルはこれらの認可を受ける必要がある。
米国でもFDAの認可を得るには1年以上がかかることから、アップルが長らくヘルスケアに取り組んできたことを物語る。

もう1つの目玉は「転倒検出機能」

もう1つ、Apple Watch Series 4には、「転倒検出機能」が用意された。
「転倒」と一口で言っても、いろいろなパターンがある。踏み台から落っこちたり、転んだり、滑ったり、いすの背もたれにもたれかかって、そのまま後ろに倒れることだってある。それぞれの転び方によって、受けるダメージやケガの大きさも変わってくる。
そこでアップルは、2500人の述べ25万日分のデータを収集し、さまざまな転倒時の加速度データを集め、「転倒検出のアルゴリズム」を構築したという。このことからも、数年間の研究開発が伴っていることがわかる。
スポーツの消費カロリーを正確に記録するためにさまざまな人にその種目の運動をしてもらい、カロリー消費のアルゴリズムを作成したが、これと同じ手法だ。
Series 4の加速度センサーは32Gまで検出できるダイナミックレンジを確保し、強い衝撃のより詳細なデータを発見することができるようにした。ハードウェアの刷新とこれに組み合わせるソフトウェア、アルゴリズムの開発により、Apple Watchは人が転んで重大な影響が出る可能性を発見できるようになった。
見た目は時計だが、心電図も転倒検出もできる(筆者撮影)
転倒を検出すると、画面には緊急連絡先への連絡画面が表示される。何事もなければ、その画面を自分でキャンセルできるが、1分間操作がなければ自動的に発信される。こうして、転んで動けなくなり、助けを呼ばなければならないとき、あるいは意識を失った際に、Apple Watchを役立てることができるようになった。
Apple WatchはiPhoneとペアリングして利用するが、iPhoneのヘルスケアアプリには、転倒回数が記録される。
実は、心電図も転倒検出も、計測することができる専用の機器はすでに存在している。しかし、これらの機能を備えたデバイスの見かけが、スマートウォッチである点が重要なのだ。


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