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休み休み進まないと続かないのは、人生と同じ?


実は休憩にもペースがあった。慣れた人だと1時間に 10分を繰り返し、頂上を目指していく。そこで水を飲んだり、エネルギー補給のために持参したキャラメルや塩飴などを食べたりしながら一息つく。
今回は初心者ということもあり、実際は30分歩いて1回のペースで休憩を挟んだ。登り進めるうち、15分に1回ほどのインターバルをとり、ゆっくり無理をしないで進む。息が上がり、太ももに負荷がかかってくる。腰をおろして休むのが、こんなに幸福な気持ちになるなんて知らなかった。また、休憩時にストレッチやマッサージをしておくと疲労回復にもなるとのこと。
こうして一息ついている時間は、周囲の景色が目に入る。生い茂る木々や見慣れない植物といった山の自然。美しさを感じると同時に、その雄大さに自分の悩みがちっぽけなものにすら感じさせるほど。そして何より、これまで登って来た険しい道を振り返ると「よく登ったな」と、素直に自分を褒めたくなる。
 

辛さが感覚を研ぎ澄ます! 食事も景色も“超”感動レベル


9合目を過ぎた辺りから森林限界、木々が成長できない岩場ばかりの道に。空気も薄くなり辛さが増してくるのだが、ここまで来ると目に見えて頂上が近づいているのがわかり、自然と気力が湧いて来るのが不思議だ。約4時間歩き続け、猪野さん含め、取材クルーの口数も減ってくる。だが、その道を越え頂上に着いた瞬間は、言葉にできないほどの達成感と爽快感が待っていた。
山頂では昼食を挟んだ1時間の休憩。持参したカップラーメンと自分で入れたコーヒーは、絶景とこれまでの辛さも相まって、今まで感じたことのない美味しさ! 星付きレストランの食事でも体験できないほどの感動。登りで消耗していた体力、気力が、この休憩でかなりリフレッシュすることができた。
 

詰めの甘さが怪我に繋がる!下山も慎重に


登りが辛いぶん、下りは意気揚々と足取りが軽くなる。登りよりも体力を消耗しないため、ついついスピードが出てしまう。しかしここはぐっとこらえよう。とくに岩場などの急な斜面は、正面を向いて歩くのは禁物。膝に負担がかかるほか、足をくじいてしまう恐れがあるからだ。
また、スピードが出てしまうとストップが効かなくなり、転倒する危険がある。体を横に向け、斜めを向いた状態でゆっくり下がっていくのが鉄則。下山は3時間を予想していたが、2時間ほどで下山完了。こうして、登山は無事終了した。
 

無理はしない。でも辛い先にある楽しみを味わったらクセになる


実際に登って肝心だと感じたのは、「無理はせずに休む」こと。休み休みでも登り続ければ、必ず頂上に到達し、清々しい達成感を獲得できる。そして辛いからこそ食事も風景も倍以上に喜びを与えてくれるのだ。
無理のない範囲で楽しむ登山。時には険しい山道を越え、見たことのない景色と、感動レベルに美味しいカップラーメンやコーヒーの味を楽しむのも、休日の過ごし方といてアリかもしれない。

澤田聖司=撮影 金光輝子=文


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