●フレームベースとなるパーツを搭載するフレームは、重量や耐久性、サイズなどレースを左右する重要なパーツ。トップレーサーたちが使うフレームはカーボン素材が多数を占めるが、見た目の良さと壊れにくさからメタル素材を選ぶ人も。(写真はモーターやフライトコントローラーなどが組み込まれている状態)
●カメラFPVゴーグルに表示されるリアルタイムの映像を撮る、いわばドローンの目。暗所が得意だったり広域を写したり、とメーカーによって画質や画角が異なるのでレースのシチュエーションに応じて付け替えている。この日のSaqoosha氏は、140度を映し出すカメラを使用。
●プロペラ装着するプロペラでスピードや操作性、バッテリーの燃費が変動する。こちらもトラックのレイアウトに合わせて付け替えているそうだ。幅が細いプロペラ(写真左)はバッテリーの持ちが良く、幅が太いプロペラ(写真右)はスピードが出る。
●フライトコントローラーとESCFPVドローンをコントロールするために欠かせないのがこの2つ。フライトコントローラーとESC(エレクトリック・スピード・コントローラー)。前者はプロポーショナル・システム(略して
プロポ)から受信した情報を制御する脳の役割で、後者はモーターの回転速度を調整するもの。写真の3つ連なった基盤のうち、真ん中がフライトコントローラーで、1番下がESC。ちなみに1番上はドローンを装飾するLEDの基盤。
●バッテリーリチウムポリマーバッテリー(通称リポバッテリー)が主流で、2〜3分のレース時間に対応する容量のものを使用している。消耗してレースに使えなくなってしまったら、リポバッテリーに接続できる半田ごてがあるので整備用に流用するそうだ。
パーツは消耗品! クラッシュによる破損は日常茶飯事レースでは障害物にぶつかったり、墜落してしまったりとクラッシュしてパーツが破損するのはよくあること。そんな非常時のためにレーサーたちは、予備のパーツやほぼ同じ構成の機体をいくつか持って来ているとのこと。したがって、大会の現場で修理できるように工具も持参している。
そして、練習場や大会会場へと赴き、先輩パイロットから知識と技術を指南してもらうことで仲間が増えていくのもドローンライフの楽しみ方なのだ。
どうやらそこには奥深いパーツとセッティングの世界が広がっている。その構成を考えるだけでも、童心をくすぐられる大人たちは少なくないはずだ。
澤田聖司=写真 小松翔伍=取材・文