最高時速160kmを体感できる視界はド迫力!
操縦者は、コース脇から機体をコントロールする。このとき、ドローンに搭載したカメラの映像をビデオ送信機(VTX)から無線で、FPVゴーグルのビデオ受信機(VRX)に飛ばして画面に表示している。その電波は他のビデオ受信機でも同時にキャッチできるので、操縦者以外もゴーグルやモニターで大迫力の飛行映像を観ることが可能だ。
基本的にレース中の操作で使用するのは、プロポのメインとなる制御スティック2本のみ。それでモーターの回転数を操り、上昇下降、左右旋回、前後・左右移動をおこなう。プロポにある他のレバーを使うのは機体の設定時だけで、プロポ本体のモニターにはタイマーやバッテリー電圧などが表示されるが、レース中はFPVゴーグルを装着しているので見ることはないそう。
そして、Saqoosha氏が実際にFPVゴーグルで観ていたレース中の映像がこちら。
要注意! FPVドローンレースには免許と申請が必要!
FPVドローンレースをはじめようと思ったら、まずはやらなければならないことがある。それはドローンを飛ばすために必要な免許の取得と国への申請だ。
まず、FPVドローンレースでは、5.8GHzの無線で映像の送受信をするため、アマチュア無線4級の免許が必須。これを取得するには、養成課程講習会に参加し、学科受講と試験の合格が1番の近道とのこと。免許と聞いただけでハードルの高さを感じてしまうかもしれないが、小学生でさえ持っているものなので、さほど難しいことではない。
そして、もうひとつ必要なのが、国土交通省への許可申請。それは、ドローン規制法(改正航空法)によって、無人航空機扱いとなるドローン本体重量200g以上の飛行や目視外飛行などが屋外で禁止されているから。しかし、この許可は大会エントリーと同時に、主催者が参加者をまとめて国土交通省へと申請することが多いので、たいした手間ではない。屋内での飛行については、この規制は適用外なので、練習をするなら申請の必要がない屋内施設をおすすめする。
誰でも飛び込むことができるスピードの世界へ!
はじめるためにはハードルが高そうだけれど、手順を踏めば思いのほか気軽にスタートできるFPVドローンレース。今後日本でも、ますますメジャーなスポーツへと成長することだろう。新しい趣味としてはじめるには、周りの人たちがやっていないであろう今がチャンスかも?
澤田聖司=写真 小松翔伍=取材・文