2020年から小学校で必修となるプログラミング教育。わが子が授業についていけるよう、今のうちに“予習”をさせておきたいものの、そもそも自分でプログラミングがわかってない……と頭を抱えているオトーチャンも多いはずだ。
そこで注目したいのが、最近増えている、子供向けのプログラミング教育アプリ。その中には、大人の勉強に使えるものが多数ある。親の威厳を保つためにも、ぜひチェックしておこう。
基本的な「プログラミング的思考」の育成に役立つ
「プログラミング」を理解するうえで重要なのが、物事の手順を分解して考える論理的思考能力(プログラミング的思考)。
たとえば「歯を磨く」というアクションをロボットに命令する場合には、「歯ブラシを手に持つ」、「ブラシに歯磨き粉をつける」、「ブラシを口の中に入れて動かす」、「口をゆすぐ」というように、歯磨きに含まれる動作を分解し、順序良く並べる必要がある。
「Lightbot : Code Hour」(
Android/
iOS)は、そうした論理的思考能力を、楽しく学べるパズルゲームだ。
目的は、迷路の中にいるロボットに命令を与え、ゴールまで導くこと。コースをよく見て、「直進」、「右折」、「左折」、「ジャンプ」といった命令のパネルを正しい順番に並べていくことで、自然と問題解決につながる論理的思考能力が身につくしくみになっている。
小さな子供でも簡単に遊べるのはもちろん、レベルがあがると、条件分岐のように高度な命令も登場するので、大人のためのプログラミング教育アプリとしても、かなり役立つはずだ。
論理的思考能力だけでなく、演算子の意味も理解できる
オッサン世代には懐かしい「電子ブロック」のような電子工作キットも、プログラミングの基本となる論理的思考能力の育成には最適。とはいえ、必要な道具を揃えるのが面倒だったり、手先の器用さも要求されたりするため、なかなか手を出せない人も多いことだろう。
そこでオススメしたいのが、「Circuit Scramble – Computer Logic Puzzles」(
Android)。回路上の配線や途中に配置されたゲート(部品)の意味を考えながら、オンオフのボタンを操作し、正しく通電させることが目的となるパズルゲームだ。
両方の配線から信号が来た場合、その先に信号を送る「AND」、どちらか片方からだけ信号が来た場合に信号を送る「XOR」など、プログラム言語でも用いられる論理演算子が登場するので、ちょっと高度なプログラミング教育の教材としても最適。これをきっかけに、電子工作に挑戦してみるのも楽しそうだ。
子供と一緒に本格的なプログラミング体験ができる
小学校で始まるプログラミング教育の授業では、パソコンを使い実際にプログラムを組んでみる実習も予定されている模様。となればやはり、家庭でも事前にプログラミングを体験させておきたいと思うのが親心だが、そのためには、まず自分である程度基礎を理解しておく必要がある。
こうした課題を一気に解決してれるのが「プログラミングゼミ」(
Android/
iOS)。実際の授業を通じて開発されたという、ゲーム感覚でプログラムの基礎が学べる知育アプリだ。
教育現場でもよく用いられている、命令が収められたブロックを並べてプログラミングするシステムを採用しており、文章を完成させる感覚で簡単にブログラムできる点が特徴。与えられた課題を解決したり、自分で描いた絵を動かしたりなど、様々な遊び方ができるので、飽きることなく長く楽しめるのも魅力だ。子供と一緒に遊ぶ前に、まずはひとりでこっそり楽しんでみては?
仕事にも役立つ「アルゴリズム」の基本をサクっと学習
子供向けテレビ番組にも登場した「アルゴリズム」とは、要約すると「問題を解くための手順」のこと。プログラミング的思考を身につけるためには、アルゴリズムをしっかりと理解することが重要になる。そのための書籍やサイトも多数あるが、初心者にはちょっとハードルが高いかもしれない。
そこで重宝するのが「アルゴリズム図鑑」(
Android/
iOS)。コンピューターのプログラムで利用されている主なアルゴリズムを、平易なテキストアニメーションを交え解説してくれる図鑑アプリだ。
ソート(並べ替え)やデータ圧縮など、仕事でもお世話になっているアルゴリズムが、どのようなしくみになっているのかが、短時間で簡単に理解できるほか、「実験モード」を利用すれば、実際にアルゴリズムを動かしてみることもできる。知りたい事柄だけ拾い読みできる図鑑形式なので、すきま時間を使った、ちょっとした勉強アプリとしても最適だ。
特に文系出身なら、プログラミング教育と聞いただけで冷や汗が出てしまう人もいるだろうが、ここで紹介したアプリたちを使えば、意外と楽しいものだということがわかるはず。プログラミングに対して苦手意識を持たない子供に育てるためにも、今のうちにしっかりと自分で予習をしておこう。
石井論理郎=文