インプットはしない。でも響いた言葉は即使う
「だいたいそうですね。普段からなんとなく思ってることを言わせるケースは多いですね。ただ、この言葉はライフネット生命創業者の出口治明さんにインタビューしたときにおっしゃってたひと言ですね。そうだよなあ、いいなあと思ったんで書かせてもらったんです。“機能的に生きたい”って、なんかすごくかっこいいなと思って。でも、インプットしようと思ってインタビューしたり取材することはないですね。誰かにお会いしてお話をして、いいなと思ったら結構使っちゃいます(笑)。あのね、成功した人ってだいたいみんないいことを言うんですよ。よく“なるほど!”って思わされる。だから、そういう方とお会いしたときにはなんかかんか持って帰る感じですね。せっかく会うんだから無駄にはしたくないですし」。
「これはそうじゃないですか? みんなだいたいそう思ってるのに言わないんですよね。お金があって体が健康だったらみんな幸せじゃないですか。どっちかが極端にあってどっちかが欠けていたら、全然そうじゃないですよね? だいたい世の中で起こるケンカの9割は金が原因なんですよ。だいたいのややこしいことは、そこにお金があれば解決すると思っています(笑)」。
お金が欲しくて始めた漫画業。その後、作り手としての充実感も得られて映像化も次々実現し、なお今、週刊連載2本をこなしている。今、漫画を描いているモチベーションとは一体なんなんだろうか。
「今は関わっている人がすごく多くて、ひとつの作品がプロジェクト化しているので、全員に対する責任が大きいんです。僕はいわば司令塔。周りの人たちとの協調をどう保って、その作品をどれだけしっかり作っていかに成果に結びつけるか。周りに対する責任を果たす、というのがひとつのモチべーションかもしれないですね。僕が、“次はこの作品をやりたい”って言い出したら、コルクとか講談社とか多くの人が関わってくることになります。作品を成功させてそういうみんなをハッピーにしたい、ということはものすごく考えていますね」。
自分ひとりで自由に動かしていけるから始めた漫画の世界だが、今や洋服店の頃の規模をはるかに超えて多くの人に関わるビジネスと化しているのだ。でも、三田さんにとってその責任はプレッシャーでもストレスでもなくモチベーション。
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