「遊び」の感覚が大切。もっと気楽に“生き方・働き方”を考えよう
ここで気になるのが、冨久世さんの熱海での生活拠点だ。都心から2時間弱とはいえ、日帰りでボランティア活動を行うのは大変なはず。月に数度の熱海暮らしで部屋を借りるのも、明らかにコストオーバーだ。
「今のところ、熱海での生活拠点は『MARUYA』というゲストハウスに置いています。ホテルや旅館に比べ宿泊費用が安いということもありますが、『MARUYA』は熱海の街おこしにかかわる人々のサロンにもなっており、私が目指す“多様な生き方・働き方”を実践している人々と交流が持てる点も、大きな魅力なんです」。
>>「MARUYA」に関する記事は
コチラまた、ボランティア活動というと生真面目な印象を受けるかもしれないが、冨久世さんは、あくまでも「遊び」の部分を忘れないことが大切ともいう。
「私も、実際のところは観光半分、お手伝い半分という感覚でボランティア活動に参加しています。もっと深いレベルで街おこしにかかわっている人たちも、見ている限りでは『遊び』の感覚を大切にしているように思えますしね」。
こうした感覚でボランティアや街おこしを“愉しむ”ことができるのは、観光地・熱海ならではの特徴なのかもしれない。しかし、そもそも生き方や働き方は遊びと切り離すことができないもの。こうした知見を得るためにも、熱海の地で行われているような活動に、気軽なボランティアとしてかかわってみるのは、意外とベストな選択肢なのかもしれない。
石井敏郎=取材・文 小島マサヒロ=撮影