海の街<熱海編> Vol.13
年齢やキャリアを重ねてしまうと、どうしても“現状”が生活の中心となってしまいがち。しかし、一度しかない人生だからこそ、多様な生き方を求めてみたくなるのは当然のことだろう。そこでオススメしたいのが、気軽に別のライフスタイル経験できる「週末移住」や「二拠点居住」という選択肢だ。熱海の街で週末移住を愉しみつつ、ボランティア活動という“別の世界”を得た人の体験談を紹介しよう。
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キャリアアップの概念に縛られない“働き方”の進化型とは
「熱海の街や、そこで暮らす人たちの姿を見て『こういう生き方や働き方もあるのか!』と衝撃を受けました」。
こう語るのは現在、月2〜3回ほどのペースで東京と熱海を行き来している冨久世さん。新たな“働き方”を模索し、この地にたどり着いた。
「現在の仕事や職場に満足はしているのですが、その一方でひとつの仕事や職場にこだわりすぎていると、そこから離れたときに、何もできないのではないか? という不安を漠然と抱いていて」。
そんな冨久世さんにとって転機となったのが、あるキャリアカウンセラーとの出会いだった。
「そこで相談したキャリアカウンセラーの方が、たまたま熱海でも活動をされていて。今の会社に不満がないのなら、離職をせずとも別の働き方を体験する方法が、熱海の街にあると教えてくれたんです」。
例えば、以前に記事
(「平日は大工、週末は林業。「木」にこだわり、日々を生きる男」)でも紹介した、週末だけ林業家になる太田大翔さんのように、複数の働き方や生き方を実践する人が、熱海には多く集まっている。それまでは直線的なキャリアアップをイメージしがちだった冨久世さんだが、そうした人々と出会うことで刺激を受け、自分でもできる多様な働き方、について考えるようになったという。
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