Tシャツ選びで持つべき7の視点
夏の必須アイテム、Tシャツ。当たり前に着てるけど、それを心から楽しめているかと聞かれて、自信を持って「YES!」と言える人って少ないのでは?
シンプルなだけに奥深いTシャツをもっともっと楽しむための7の視点を紐解こう。
第5回は「パロディTシャツ」。
酷暑が続く2018年の夏。Tシャツがフル回転する日々は、まだまだしばらく終わりそうもない。とはいえ、秋冬シーズンはもう目の前まで迫っている。こんな時季だからこそ、通年でオッサンが愛せるTシャツを集めてみた。
オーシャンズ世代は誰もが知っているモチーフのTシャツ……だと思ったら、よく見ると「ん? なんか違う」。思わず引き込まれるデザインは、“パロディ”という名の遊びゴコロ。
こんなシャレの効いたTシャツなら、見る人と着る人両方の気分を上げてくれること間違いなしだ。
海好きに捧げる、青いハードロックカ……
OC世代がリスペクトを惜しまない“ロックの殿堂”に出会えるカフェレストランのロゴ。それを想起させるこちらは、ヴィンテージTシャツのプリントのひび割れを再現したクラックプリントもオッサン好み。
昔見たアメリカ映画は、いつもこんなロゴから始まった
企業ロゴTシャツが世に多く出回った1970年代。身幅がタイトで着丈が長めの設定は、まさにそんな時代感をイメージさせる。オッサンが青春時代に見たアメリカ映画の多くは、こんなロゴの映画会社の作品だったはず。
夏はこんなシャれが効いたやつを、ネまきにすル?
“サイコビリー”のオリジンであり、’70年代からNYのアンダーグラウンドシーンを牽引してきたバンド、“ザ・クランプス ”。そのバンド名とホラー感満載のフォントで記したのは……ジャケットなどの下に着ても間違いなく主張する。
日本だとかニューヨークだとか、格好良さにどーもこーもないんダナ
オーシャンズ世代がかつてお世話になった、NY生まれのファッションブランドのオマージュかと思いきや、プリントのコンセプトは“ドーモコーモネーヨ”。その頭文字を取ったどうもこうもないモチーフは、話題になること請け合い。
その格好良さだけで、十分にGoodEnough !
’90年代の原宿には、多くのカルチャーが存在した。このボーダー柄とタグデザインは、まさにそれを象徴する絶対的ブランドの面影が宿る。久しぶりに柄Tシャツに袖を通すなら、やっぱり思い入れのあるデザインにしてみては?
「調子どう?」より「アガってる?」がご機嫌な挨拶
カート・コバーンが着ていたことでも知られる、奇才ダニエル・ジョンストンのCDジャケットのプリントT。そのオマージュとも言えるこちらは、タイトルが微妙に違う。もちろん解釈は着る人の自由。サイズ感は大きめだから、今の気分で着こなせる。
約30年ぶりに見つけたのは、白骨化したMr.チン?
LAの老舗スケートブランド「パウエル ペラルタ」が’80年代に発売した歴史に残るスケートムービー『アニマル・チンを探せ!』。そのステッカーは当時伝説になったけれど、こちらはそのパロディT。かつてのスケート少年なら、思わず唸るでしょ?
オッサンのオッサンによるオッサンのためのスケーターパロディ
言わずと知れたカリフォルニア生まれのスケート界のパイオニア、トニー・ホーク。「パウエル・ペラルタ」がかつて彼のシグネチャーのスケートデッキやウェアに使用したグラフィックは、アイアンクロスの中央に鷹が描いてあった。こちらは、なぜか愛らしい架空のオッサンをプリント。
スケートもサーフも、パンクに染めるグラフィック
パンクの代名詞であるセックス・ピストルズのロゴやCDジャケットデザインは、アートディレクターのジェイミー・リードが、脅迫文をイメージして作ったというのは有名な話。そんな“永遠にパンク”な書体は、オッサン世代にとっても永遠に忘れようのないグラフィックだ。
イケてる北欧風デザインに、アっと驚く
スウェーデン発祥の某家具量販店は、家族にとって週末のアミューズメントパークのひとつと言っても過言ではない。知名度抜群のあのポップな配色を感じさせるロゴは、洒落が効いてるだけではなくて、ぱっと見でなぜか落ち着く不思議なワンポイント。
ブランドに企業にアーティストのパロディ。共通して言えるのは、どのパロディもネタ元への愛とリスペクトに溢れていること。そんなTシャツを着こなすオッサンも、愛とリスペクトに溢れた視線を集める……かどうかは着てみてのお楽しみ。
鈴木泰之=写真 星 光彦=スタイリング 長谷川茂雄=編集・文