モニター付きのメリットはかなり大きいが、置き場所には悩みそう……
Alexaの機能を拡張する「スキル」も、エコー スポットに対応したものが続々登場している。
例えば「でんぱ組.inc 夢眠ねむトーク」というスキルを追加すれば、テレビ電話のように、でんぱ組の“ねむきゅん”と疑似トークを楽しむことができたりする。もっと実用的なスキルでも、今後は映像に対応するものが増えそうだ。
このように、しばらく使ってみれば、むしろ「なぜ、今までモニターなしで満足していたのか?」とまで、思えるようになってしまうエコー スポットだが、気になる点がないわけではない。
もっとも強く感じたのは、他のエコーシリーズに比べ、メリットを最大限に発揮するためには「置き場所」の制約があること。モニターが付いていることにより、「画面が見にくい場所」に置きにくくなっているのだ。たとえばエコー ドットなら「声が届く場所」であれば、壁面や天井にも設置することができたが、エコー スポットの場合は、そういうわけにはいかない。いや、そういう風に設置しても良いのだが、それではエコー ドットと使い勝手が一緒になってしまうんですよね。
ちなみに我が家では、このようにテレビの上に置いて使っているのだが、時計や天気、スケジュールの確認は問題なくできても、動画ニュースや歌詞の参照をするためには、モニターに近づかなければならないため、エコー スポットの便利さが2割~3割くらい失われているような感じがしている。
ここら辺の事情を考慮すると、エコー スポットの最適な置き場所は、家族が集うリビングのテーブル上、または個人で使うなら寝室のベッドサイド、といったところになるのかもしれない。今後は複数台でテレビ電話のような使いかたもできるようになるそうだから、なおさら画面との「距離」を気にする必要が出てきそうだ。
とは言え、これから初めてスマートスピーカーを買う、という人なら、モニターの分だけ高価であっても、やはりエコー スポットをオススメしたいところ。何故なら、ここまでウッカリ言い忘れていたのだが、エコー スポットのモニターはタッチ操作に対応しているため、音声だけでなくスマートフォンのように指で操作をすることもできるのだ。
これなら「声で操作するのが恥ずかしい」と思っているオッサン世代でも、安心して使えるはず。エコー スポットで、そろそろスマートスピーカーの世界に飛び込んでみるのも、いいんじゃないですかね?
石井賢声=取材・文