温泉街・熱海の栄光を今に伝える？　レトロゲームの聖地へ

午前中の海釣り体験から、釣った魚を調理してくれる飲食店での昼食という流れで、すでに大人たちは文字通り「お腹いっぱい」な状態なのだが、それで満足してくれないのが元気いっぱいの子供たち。
「次は、あそこに連れて行ってあげるから！」
と、長女の葵衣（あおい）ちゃんの強力なプッシュにより誘われたのは……なんとも昭和レトロな駄菓子屋さんだった。

実は、こちらの『和田たばこ店』は地元で暮らす子供たちの間ではもちろん、“あること”で全国的にも有名だという。

10円ゲームの定番「ピカデリーサーカス」はもちろん、「国盗り合戦」や「ジャンケンポン」などなど、店内ところ狭しと並ぶレトロゲームの数々。そう『和田たばこ店』は、全国でも有数のレトロゲーム・スポットなのである。

残念ながら今回は、ご店主が不在ということで“本店”のみの取材となったが、お願いすれば開けてくれるという、お隣にある“別館”には、本店の数倍以上のレトロゲームや懐かしのジュークボックスを設置。その大半が、かつて熱海のホテルや遊技場などで活躍した筐体とのことで、中には資料価値の高いレアな機種もあるそうだ。

昭和の“温泉街”の雰囲気を今に伝えるレトロゲームと、懐かしの駄菓子たち。当時を知る大人たちにとっては感涙のシチュエーションと思ってしまいがちだが、その魅力は予想以上にエバーグリーンなもの。何度も「ジャンケンポン」に挑戦し、獲得したメダルと交換した駄菓子を大事そうに抱える子供たちに、少年時代の自分を重ねてしまうこともあるだろう。