なぜ成功・失敗したのか……ひたすらPDCAを回せ!
大事なのは、売買をしっかりと記録しておくこと。それによって、自分の得意なトレード手法なども見えてくる。
「Excelに、社名、購入金額、売却金額、利益・損失、買った理由、売った理由、を記録しておくことで、なぜ成功、または失敗したのが見えてきます。成功パターンが貯まってきたら、その状況のときだけトレードを行えば、勝率は高くなるはず。仕事ではPDCAサイクル(Plan<計画>・Do<実行>・Check<評価>・Action<改善>)を回しますよね。株でも同じことをすればいいのです」。
最後に藤本さんは、オーシャンズ世代が株をやるもうひとつのメリットを教えてくれた。それは、単純に資産を増やすというだけの視点ではなかった。
「株を買うことは、ビジネスにおいてもメリットが大きい。株は連想ゲームみたいなもので、世の中のニュースが巡り巡って、ある業種の株価に跳ね返る。その思考方法は、ビジネスの種を見つけるのに大いに役立つでしょう」。
株式投資は売買益によってお金を得て、マネーRPGの経験値を上げる行為だと思っていたが、それと同じくらいビジネススキルの経験値も上げてくれる可能性があるようだ。
男、37.5歳。株によって資産形成をしながら、世の中のことを知るために視野を広げるのもいいかもしれない。
コージー林田=取材・文
【今回のマネー賢者】
藤本誠之
年間300社を超える上場企業経営者とのミーティングを行う、証券アナリスト。日興證券、マネックス証券、カブドットコム証券、SBI証券などを経て、現在は、財産ネット株式会社の企業調査部長。日本証券アナリスト協会検定会員、ITストラテジスト。著書に『週55分で、毎週5万円儲ける株 』(明日香出版社)など。