マウイ島には世界中から海に魅せられた人たちがいつも集っている。新しい遊びへの開拓精神旺盛なマウイの人々、その中核となるアスリート、インダストリーを支える人々にマウイの魅力を聞いてみた。
サーフブランド
Naish(ナッシュ)
ナッシュのヘッドクォーターはまさしく大人のおもちゃ箱
ウインドサーフィンヒストリーの黎明期から現在にいたるまで、トップウォーターマンとして君臨する、ロビー・ナッシュ。そんな彼がプロデュースするブランドがオーシャンスポーツ界の名門、ナッシュだ。
最初は数種類のセイルからスタートしたこのブランドも、今ではサーフボードやSUPボード、カイトサーフィン、そしてフォイルボードなどを手掛け、それら最先端の遊び道具をこのマウイのヘッドクォーターから世界に発信している。
その1階の開発センターは、通常一般の人が立ち入ることはできない領域。でも、そこを覗いてみると、まさしく海の遊び道具のおもちゃ箱。開発段階のテスト品がところ狭しと並んでいて、研究施設そのものだ。
ロビーの右腕として長年ナッシュをマネージメントしてきたミッキー、そしてカイトサーフィンの開発に携わるダミアンにマウイの魅力を尋ねるてみた。
彼らによると、「この島ほどさまざまなコンディションを高いレベルで楽しめる場所はない」。
ホキパはウインドサーフィンのメッカだし、カナハは世界有数のカイトポイント、風がないときのノースショアはクオリティの高い波でのサーフィン、SUPが楽しめるし、サウスに移動すれば家族で楽しめるポイントもある。最高のプレイグラウンドだそうだ。
「ビジネスの拠点としは完璧ではないかもしれないけど、僕たちの会社は高いレベルで遊べる海があって成り立つ会社。マウイの海があるからこそ妥協のないプロダクトを開発できるんだ」。
そのうえで、「道具のテストを終え仕事帰りの夕方にいい波でサーフィンができる場所なんてマウイくらいだよね。その日いちばん楽しそうなことをチョイスして遊べることと、仕事と遊びが両立できてしまうところが魅力だね」と語った。
この先も、子供ゴコロを持ったロビー・ナッシュが興味を持ったものが商品化されるたびに、このナッシュに関わる人たちの楽しみは増えていくことだろう。
Thomas Servais=写真 岡崎友子=コーディネイト 阿出川 潤=編集・文