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家族ノマドは子供の将来のためにも役立つ

それは家族ノマドも同様だ。一見リスキーに思える生き方だが、実際にやってみると得るものしかなかったという。家族ノマドのきっかけは、ネットショップの運営が安定し始めた7年前。夏バテが理由だったというから面白い。
「せっかくどこでもできる仕事なのに、『なんでこんな暑いところで作業しているんだろう?』とふと思って。その翌年、『じゃあ家族みんなで涼しいところへ移動しよう!』と1カ月間、北海道のニセコで暮らしてみたんです」。
板羽さんが暮らしたというニセコのコテージ
ニセコから家族ノマドをスタートさせたのは、地元の観光協会が夏限定のリゾートオフィスの募集を行っていたからだ。コテージを借り、平日はクーラーいらずの環境で仕事をし、休日は牧場の搾乳体験やトレッキングなど、家族でアクティビティを思い切り楽しんだ。


家族ノマドの魅力を知った板羽さんはその後、ハワイ、ニュージーランド、フィンランド……と、夏や年末年始の時期を利用してさまざまな地でノマド生活を送るようになる。じつはここにも「子供の将来の選択肢を増やしたい」という堅実な考えがある。
日本の子供たちは今後、よりグローバルな生き方が求められるようになる。そのとき、どんな環境でも楽しめるような基盤を作っておいてあげたい、というのが板羽さんの願いだ。中学生になるお子さんは現在、学校も授業の半分が英語で行われるインターナショナルコースに通っている。
「最初は子供もノマド生活をただ楽しんでいただけでしたが、翌年からは何か目標を決めて過ごすように言いました。ハワイでは友達を作るというテーマを決めて、2、3日で現地の子と仲良くなった。フィンランドでは、当時流行っていたポケモンGOを使って1日ひとり、誰かと交流することをテーマにした。だから子供にとっては、楽しいだけではなかったかもしれないですね」。


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