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2018.07.06

ファッション

雨の日の部屋干しも怖くない! ニオイと生乾きにサヨナラする正しい“洗濯”の心得

大人の「雨カジ」
何かと不快な雨の日。服はベタベタ、靴はグチョグチョ、手をふさぐ傘も煩わしい……。この時季のファッションをなんとかポジティブに捉えられないものか。
そこで、アメカジ好きのための雨対策スタイル「雨カジ」を考案。“雨を楽しむ” ための雨カジなアイテムを紹介していく。今回はちょっと視点を変えた番外編。雨の日の“洗濯”について。
>前回の「“雨に強い”選抜バッグ」はコチラ
唐突だが、雨の日の洗濯にお困りではないだろうか? 干せない、乾かない、匂いが気になるなどなど、ご家庭によってさまざまな悩みを抱えていることだろう。
生乾きの匂いに、「もう一回洗い直したいな」と思ったり、洗濯機の乾燥機能も多くの時間が掛かるだけでなく、部分的に湿ったままのこともあったりして仕上がりにも不満である
では、どうすればいいのか? 雨の日の正しい洗濯の心得(センタクノシカタ)を、その道のプロに聞いてきた!
 
「例え雨の日でも、洋服を痛めたくないなら迷わず部屋干しすべきです」
そう断言するのは、海外アーティストやアパレルメーカーも信頼を寄せるクリーニング店「リブレ ヨコハマ」の代表・茂木康之さん。先日「ニオイまで退治する洗濯ブラザーズの無敵洗剤が今すぐ買える!」の記事でも登場して頂いたばかりの、洗濯&クリーニング業界の革命児だ。
左が茂木康之さん。右は一緒にリブレ ヨコハマを運営する兄の茂木貴史さん。通称「洗濯ブラザーズ」だ。
そんな茂木さんは、生乾きやニオイ菌の繁殖が気になるこの季節でも部屋干しを推奨。しかし部屋干しするとどうしても臭いが気になってしまうではないか。
なぜ部屋干しで良いのか? どうすれば”生乾き臭”を避けることができるのか? 茂木さんは順を追って話していってくれた。
 

心得1:勝負は洗濯前に決している

「洗濯というのは、実は洗濯する前に、すでに勝負がついているんですよ」(康之さん)。
そのココロはこうだ。
日々発生する、衣類やタオルなどの洗濯物。だが数日分をまとめて洗うという方も多いだろう。そこでついやってしまいがちなのが、洗濯物を洗濯槽の中に溜め込んで、ある程度まとまったら洗濯機を回すというルーティーン。だが、これこそが最もやってはいけないNG行為なのだ!

洗濯槽という密閉された空間(しかも雨の日は、いつにもまして高温多湿)に、汚れた衣類を放置する。これがどれだけ不衛生な環境であるかは、言わずもがなだ。このような条件で繁殖してしまったカビ菌や悪臭菌(ニオイ菌)を市販の洗剤だけで洗い落とすのは、ほぼ不可能である。
洗濯が必要な汚れ物は、通気性のいいランドリーバスケットなどに入れて風通しのいい場所に置いておく。これが正しい洗濯の心得その1だ。
 

心得2:汚れだけでなく、蓄積したニオイ菌を除去する

正しい準備ができたら、いよいよ洗濯だ。洗濯で大事なのは、やはりなんといっても洗浄力。そして衣類を傷めないこと。そのために重要なのが、洗浄力の高い洗剤と水を、最適な分量で使用することだという。
「実は市販の合成洗剤は、洗浄力が”弱め”に作られているんです。だからといって規定量より増やしても洗浄効果は決して上がりません。柔軟剤も、繊維を陽イオンによってコーティングしてしまうので、吸水性が失われてしまいます。ですので、特に肌着やタオル類などには、柔軟剤の使用を避けたいですね」ということなのだ。
ちなみに#洗濯ブラザーズ が開発した『リブレヨコハマ ランドリーディタージェント(通称:リブレ洗剤)』は、パームオイルをメインにアミノ酸やベジタブルグリセリンなどを高濃縮して配合したもの。天然由来の成分で、環境に優しい洗濯用石鹸でありながら、汚れやニオイ菌をしっかり洗い落とし、ふっくらと仕上げることができる。だから柔軟剤も不要という。
ぬるま湯での漬け置きが、洗浄力を最大化する
特に汚れがひどかったり、匂いが定着してしまっているなと思うときは、漬け置き洗いがおすすめだという。

「汚れや菌を分解してくれる成分(アミノ酸など)というのは、植物由来の界面活性剤なんです。洗浄力をあげるには30~40℃くらいのぬるま湯のなかで、最大限活性化する。洗濯前に気になる部分に前処理剤を塗り込んでブラシで軽く叩き、そのままぬるま湯に漬け込んでから洗濯すれば、さらなる洗浄力を発揮してくれるんです」。
漬け置きは1~2時間、場合によってはそのまま一晩置いておいてもいいとのこと。(※注:色の濃いもの、例えばネイビーや黒色は漬け置きだと色が抜けやすくなるため、1~2時間以内の漬け置きにする。)汗や皮脂など酸性の汚れには、アルカリ性の重曹を加えるのも非常に効果的だ。
要は、部屋干しで気になる“生乾き臭”の原因となる、ニオイ菌をしっかり洗浄することが大切ということ。
実はクリーニング店で一般的なドライクリーニングでは、水溶性(人間の汗や塩など)や不溶性(泥やファンデーションなど)の汚れを除去することはできない。ニオイ菌も死滅することはないため、家庭での洗濯でしっかりニオイ菌を落とす方法を知っておくのは非常に重要だという。
正しい洗濯によってきちんと汚れを落とせていれば、部屋干しであっても嫌な匂いは発生しにくい。これこそ、心得その2である。
 

心得3:洗濯後も油断は禁物

洗濯が終わったあとも、油断してはならない。先にも書いたとおり、洗濯槽というのは決してクリーンな空間ではないからだ。
「仮に洗濯槽自体をクリーニングしていたとしても、洗濯機は下水道と繋がっています。せっかく洗濯してキレイになった衣類を洗濯機の中に放置しておくと、下水から戻ってくる匂いや菌が再付着してしまう可能性があるんです」。

出勤前や就寝前に洗濯機を回し、帰宅後や起床後に干すという人も多いかもしれないが、これ実はNG。わずか数時間であっても、匂い戻りの原因となるには十分なのだ。
洗濯が終わったあとは、すぐに取り出す。これが、心得その3だ。
 

心得4:理想的部屋干しを実現する、除湿機の活用

しっかりと汚れや菌が洗い流せた洗濯物は、部屋干しでもOK。生乾き臭だって怖くない。部屋干しを行う前のこの時点で、実は勝負の9割はついているのだ。
「そして部屋干しするにもコツがあって、当然ですが北側の部屋より南側、日当たりや風通しのいい場所のほうが早く乾きます。通常であれば正しい洗濯を実践するだけで、部屋干しでも匂いが発生する心配はないんです。扇風機などで風を当てるのも、とても効果的です」。
しかし、季節的には湿度がグングン上昇中。さらに万全を期すために、オススメのものがあると茂木さんは語る。
「一日中雨が降り続くような時期や、湿気のこもりやすい部屋、エアコンの設置されていない部屋などでは、乾くのに時間がかかって部屋に浮遊する菌が付着、繁殖してしまう可能性もあるんです。そこでぜひとも活用してほしいのが、『除湿機』なんです」。
文字通り除湿機能に特化した除湿機は、エアコンの除湿モード以上に高いパフォーマンスを発揮する。そしてどこにでも持ち運びができるのもメリットだ。

「エアコンや除湿機があるなら、できるだけ狭い部屋で干すのがいいですね。温度が高く、空気が対流していて、乾燥しているというのが、洗濯物を早く乾かすために必要な要素。狭い空間のほうが、短時間で湿度を下げることができるからです。家庭内でいえば、乾燥したバスルームや洗面所などの狭い空間に除湿機を持ち込むのが、理想的だと思います」。

 

雨の日でもハッピーな洗濯ライフを!

インタビュー直後に、実際にリブレ洗剤と除湿機を用意し自宅のバスルームで試してみると、本当にびっくりするくらいに短時間で乾いてしまった。しかもふわふわイキイキとしたバスタオルもTシャツも、生乾き臭とは無縁。
外は雨でも、Tシャツなら1〜2時間、スウェットなら4〜5時間というのが個人の体感速度だ(除湿機の性能による)。おかげで一人暮らしをはじめて以来、数十年対峙してきた雨の日の洗濯の悩みは、完全になくなったと言うのは、決して大げさではない。
「我々のコンセプトは、環境負荷の少ない洗濯方法で、衣類のアンチエイジングを実践する“ハッピーランドリー”。雨でもストレスのない洗濯を、さらに多くの人に楽しんでほしいですね」。
 
【取材協力】
リブレ ヨコハマ
https://livrer2007.theshop.jp/
長谷川純也=取材・文


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