思い切り「遊び」を楽しむオーシャンズな男たちにとって、ホテル選びは二の次か? いや、そんなことはない。束の間の安息の地となるホテルにこだわってこそ、理想とするハワイ旅は完成するのだ。間違いなくオススメできる、オアフのベストステイを紹介しよう。
ハレクラニの真価は、泊まった者にしかわからない。外見の派手さや高層タワーのないこのホテルを、宿泊経験者は口を揃えて「ハワイ最高峰のホテル」と言う。その理由はいったいどこにあるのだろうか。
必ず戻ってきたくなる! ハワイ式「極上おもてなし」
ハレクラニ
いざ宿泊するとなると、実際にチェックインの瞬間からここが特別なホテルだと気付かされる。
ハレクラニのゲストは、レセプションで名前を伝えるだけで館内に通され、そのまま客室内で宿泊手続きを行う。まるで日本の高級温泉旅館のようだ。ゲストにとって何がベストかを常に追求する、ハレクラニらしいおもてなしの一例である。
結果、エントランスはチェックイン待ちの行列や喧騒とは無縁。ビジターには単に静けさに包まれたホテルとしか映らないが、1度でも泊まったゲストは知っている。こうしたホスピタリティの積み重ねこそが、ワイキキのど真ん中に“ハレクラニ”(天国にふさわしい館)を築いていることを。
客室内も特別だ。一見真っ白な室内は、実は“7色の異なる白”で彩られており、美しい陰影を表現している。
部屋には1日2回のベッドメイクが入り、夕方には枕元にささやかなプレゼントが置かれ、ゲストを喜ばせる。広々としたバスタブや、ビーチベッドも置けるラナイなど、室内設備も豪華で、生涯ここを定宿にする人が多いこともうなずける。
感動は初回だけではない。独身30代でハレクラニを経験したある人は、子供を連れて40代で戻ってきたとき、家族への気配りに感激したという。
訪れるたび、神髄に近づけるというのであれば、年を重ねることも悪くないと納得させてしまうほどのホテルということだ。
帰ってきたと思ったら本当に同じ部屋だった!
これは、ハレクラニで結婚式を挙げた夫婦に実際にあった話。
結婚してからちょうど1年後、夢にまで見たハレクラニへの再訪を果たしたふたりが「やっと帰ってこれたね」と話していたら、なんと前年とまったく同じ番号の思い出の部屋に通してくれたとか。
ゲストの記録と思い出を大切にするハレクラニらしいエピソードだが、リピーターは名前と一緒に「Welcome back(おかえりなさい)!」と言ってもらえることも多いという。
今回、ホテルからのギフトは、小さな貝殻だった。カードには「古来よりハワイでは、人を呼び集める道具に巻貝を使っていました。この小さな貝が、再びあなたをこのホテルに呼び戻すことを願って」という心温まるメッセージが。
いいスタッフといいゲストが100年かけて築いた
“ハレクラニの格式”
初めてハレクラニに足を踏み入れるのであれば、ひとつだけリスペクトするべきことがある。それは“ハレクラニの格式”だ。このホテルに流れている空気は、最高のサービスを提供するスタッフと、このホテルを長年愛してきたゲストたちが、100年かけてともに築き上げてきたハレクラニの歴史そのものだからだ。
ふわふわのビーチタオルと、とびきり優しい“アロハ”を運んできてくれるプールスタッフ。常時4人が待機し、ゲストへの目配りを欠かさない。
ここを抜けた先には、「カヴェヘヴェヘ」という真水が湧き出すパワースポットがあり、病や傷を癒やせるという言い伝えで有名。ハレクラニは実際にワイキキでいちばん気のいい場所でもある。
凛としたスタッフが多いなか、ひときわスーツの似合うマイケルさん。フロントデスクのマネージャーで、笑顔のもてなしにほっとさせられる。
エントランスから中庭に通じる回廊。穏やかな日の光が差し込み、そよ風が通り抜ける、とびきり心地良い空間だ。客室と同様、館内の装飾もすべて白に統一されており、飾られた花や緑がより色鮮やかに映える。
次回はハレクラニのダイニングやバーラウンジの魅力をお伝えしよう。
熊谷 晃=写真