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秀逸な組み立てガイドで、高難易度の工作も迷わずスイスイと進む!!

「バイク」の場合は、AからHまで計8枚の段ボール・シートを使用する(写真ではハトメやロープなどの付属品も並んでいるが「バイク」で利用するのは、輪ゴムのみ)。組み立てるパーツの数は、ざっと30以上はある感じだ。パッケージのガイドによれば、完成までの所要時間は、10歳児で90~150分程度という。
ハサミを使ったり糊で接着したりといった作業は不要なのだが、それだけに完成までの長時間にわたる工程が、結構しんどそう&面倒くさそうに思えてしまったのも正直なところ。しかし、そんな不安は制作開始とともに消え去ってしまうのだった。

その理由は、画面に表示される「動くマニュアル」の、感動的なまでのクオリティの高さにある。とにかく親切でわかりやすく、そして自然と先へと進みたくなる工夫がこらされているのだ。

例えば、どのパーツを切り出せば良いのか、どのように折り畳み組み合わせていくのかなど、ステップごとに細かく指示をしてくれるのだが、その文章も簡潔で面倒な印象を与えないところが、実に気持ちいい。気持ちいいといえば、段ボールのシートから、驚くほどきれいにパーツが切り出せるようになっていたのにも驚き。これなら、小さな子供に任せても失敗が少ないに違いない。

パーツの折り曲げや組み合わせの指示画面では、パーツをさまざまな角度から確認できるよう、画面の拡大縮小や回転なども可能になっている。とはいえ、実際にはそうした操作をしたくなる場面は、ほとんどなかった。何故なら、難しそうな箇所や勘違いしそうな箇所については、まるで先回りするかのように、あらかじめ画面の動きや解説テキストでフォローしてくれるから。

このあたりは、ファミコン登場以前から“遊び”と真面目に向き合ってきた任天堂の面目躍如といったところ。文章ひとつとっても、決して幼稚になりすぎず、かといってやる気を損なうもとになる突き放したような表現を極力避けているんですよね。「折り目をギュッとつけていこう!」というように、擬音を上手に使って組み立てのコツや加減を伝えているのも素晴らしい。

組み立てたパーツを合体させたり、輪ゴムのような補助パーツを追加したりしながら、着々と、そして真っ直ぐと完成に向かっていく。一応、大きな工程ごとに休憩をうながしてくれるのだが、一度作り始めると、やはり最後まで一気に終わらせてしまいたいのが人情というもの。親子で一緒に遊ぶ際には、お子さんの集中力も考慮しつつ、適度に休憩を挟んであげたほうが良いかもしれないですな。




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