PREMIUM BRAND × DAILY STYLE
SAINT LAURENT サンローラン
近年、若返りという名の進化を続けるモードの旗手に、デニムは欠かせない存在だ。その蜜月関係をフォトストーリーで届ける。
サンローランにとってデニムはマスターピース。強いこだわりを持ってつくられている。デザインはもちろんだが、生産もより高いクオリティを実現するべくすべて日本製。そして手に入れたリアルな色落ち。その味わいを、ウエスタンシャツとジーンズのデニム・オン・デニムで存分に味わう。
織りでボタニカル柄を表現した黒いガウン。揺れるビスコースが生むドレープが実にエレガントだ。それをドレッシーに着るのではなく、スキニーなデニムに合わせてあくまでカジュアルに調理する。素材やシルエットのボリュームで楽しむコントラストの妙。ミスマッチと思われるところに、いつもファッションの発見はある。
セルビッジ付きのブラックデニムは、今季初登場のバギーシルエット。そんなリラックスした1本を、レザージャケットとともにモノトーンでシャープに着こなした。インナーのシャツに咲くのは朝顔のプリント。どこか必然を感じさせる、日本人の心に響くコーディネイトだ。
Tシャツ×デニムにトラッカージャケット。王道の着こなしだ。しかし古臭さは皆無。極上のゴートスキンスエードが持つキメ細かい起毛感にイエローのヴィヴィッドな発色、デニムの僅かな光沢。シンプルな装いに積み重なったさまざまな要素が、昔馴染みを最新へと変換させている。
「表現に富み、控えめで、飾りけがなく、性的魅力も持つ。デニムには私が洋服に望むすべてがある」。これは、創業者ムッシュ イヴ・サンローランの言葉である。大胆にブリーチをかけたデニムジャケットは、アイスブルーのような絶妙な色みやパリッとした質感が豊かな表情を見せる。ムッシュが見据えたデニムの可能性を具現化した一着だ。
ペルーのジャカード織りスリーブに、モロッコが着想源となったエンブロイダリーのパッチを貼り、リブはイカット柄に。抜群の存在感を放つオリエンタルなブルゾンは、復権の兆しが見られるスノーウォッシュのブラックデニムで楽しむ。ローライズで端正なスリムシルエットの1本との不思議な調和が新鮮だ。
河津達成(S-14)=写真 菊池陽之介=スタイリング AMANO=ヘアメイク