PREMIUM BRAND × DAILY STYLE
HERMÈS エルメス
最上級&最先端のファッションとアナタの距離がグッと縮まるファッションストーリー。エルメスによる37.5歳に似合うプレミアム&デイリースタイルをどうぞ。
柔らかなラムレザーのブルゾンは、絶妙な色合いのベージュが美しい。その色はフランス語で「カネル」と呼ばれ、シナモンをイメージしたものだ。袖部分にアクセントをつけるのは、野球のボールを思わせる赤いステッチワーク。創業181年のメゾンが魅せる最上級の遊びを、カジュアルな装いで楽しんだ。
マクロとミクロ。両方からのアプローチで生まれるグラフィックが目を引く本コレクション。例えば、こちらのラムレザー製ブルゾンの右肩に、ネイビーの同素材をはぎ合わせて配したのは、メゾンのアイコンモチーフ「シェーヌ・ダンクル」の1コマを大きく配したもの。一方、インナーのコットンリネンTシャツにはメゾンのイニシャル「H」が無数に描かれる。馴染みのモチーフが新鮮に生まれ変わった。
胸元の縦型ポケット、周囲のステッチワーク。ミリタリーなどのヴィンテージウェアを思わせるディテールを持ったフーデッドジャケットを、立体感のあるボーダーが特徴的な薄手のコットンニットにさらりと羽織る。ライニングのオレンジが挿し色となり、シンプルな装いがたちまち華やかになる。
4代目当主、ロベール・デュマが船のアンカーチェーンから着想を得てデザインした「シェーヌ・ダンクル」。それを全面にプリントで描いた紅色のシャツは、細番手の糸で織った薄手の一枚。適度にゆとりを持たせたシルエットも相まって、風を孕むたびに覗かせる多彩な表情が魅力的だ。それを、同系色のボトムスに合わせたシンプルな装いで存分に味わう。
今季メゾンは「洗練された脱構築」をテーマに掲げ、自由で遊び心あるアイテムやコーディネイトを披露した。上品なカシミヤシルクのニットに光沢のあるスポーティなテクニカル素材のパンツを合わせたこちらのスタイルもそのひとつ。アンバランスという新たな均衡を見つけ出している。また、一見無地に見えるパンツには全面にマイクロヘリンボーンのパターンを施すなど、単調に見せないディテールも見逃せない。
上下ネイビーのジャケットスタイルで目を引くのは白いステッチワーク。これは、エルメスのルーツである馬具作りに欠かせないサドルステッチが着想源だとか。そして、独特の凹凸のある素材は、シワ加工が施されたテクニカルキャンバス。お馴染みのアイテムに添えられたこうしたストーリーにもグッとくる。
岡田 潤(BE NATURAL)=写真 本庄克行(BE NATURAL)=スタイリング AMANO=ヘアメイク