ブランド、デザイン、はき心地、素材、加工、値段、etc.……デニム選びのポイントはいろいろだけれど、何にせよ妥協してはいけないのがシルエット。というわけで、シルエットが評判を呼んでベストセラーとなった名作7本を紹介する連続企画。
今回は、日本人が日本人のために製作したデニム、レッドカードの「リズム」。
レッドカードのリズム
デニムの先生が考えたベスト・ストレート
世のデニムフリークから“先生”と崇められる本澤裕治氏。空前のメガヒットとなったエドウイン「503」の立ち上げ、リーバイスのモデルチェンジにも携わるなど、近代ジーンズ史の陰にこの男あり! なキーマンだ。
そんな重鎮がプロデュースするブランド、レッドカードは当初レディスから人気に火が点いた。とかく女性は、男性以上にフィットや美脚&脚長効果、全体の雰囲気といった見た目はもちろん、はき心地にうるさく、価格にもシビア。逆に言えば、彼女たちに認められた=数々の厳しいチェックポイントをクリアしたお墨付きを得たも同然である。
BACK SIDE
ブランドの根幹モデルとなる「リズム」は、膝下からのシェイプが効いたスリムテーパード。日本人が日本人のために製作したとあって、誰がはいてもサマになると大好評だ。インポートデニムでは、太腿のヒゲや膝裏の色落ちなど加工の位置が実際の脚に沿わず、そのうえ丈上げによって裾のパッカリングを切り落とす、といった残念なエピソードもしばしば。一方、加工の入れ方にも細心の注意を配られたこちらは、裾上げの手間を省きつつ、エイジングされた裾も活かせるよう、あらかじめジャストレングス設定と、痒いところに手が届く仕様。
加えてトレンドや気分によって頻繁な買い替えを望む人にとっては、高価なジーンズが当たり前の昨今、2万円ほどのプライスは非常にありがたい。そして、これを一度体験したら、その次もリピートせずにはいられないはずだ。
街男ユースケと海男マーシーはレッドカードのリズムをこうやってはく!
街男ユースケの場合「デニ・ジャケスタイル2018春」
デニムは信頼の置けるスリムテーパード、程良い色落ち具合で、足元はちらっとソックスを見せて。ジャケットは、アンコン仕立てで軽いもの。靴は仕事用を流用するべからず。革靴にしても、休日用を備えるべし。
海男マーシーの場合「マーシーのすべらない合わせ」
スリムテーパードデニムとヴァンズのオーセンティックとの合わせ、そして趣味のサーフィンは永遠にやめない男、マーシー。ちなみにこの合わせ、ネクタイを必要とする服以外、どんなトップスにも応用可能だ。
レッドカードが作ったニューシルエットモデル
男らしくズドンと太いハイライズストレート
ジェンダーレスモデルとして男女ともに親しまれた「ヴィンテージストレート」のブラッシュアップ版「ゴールド」は、今年らしさをアピールするズドンと太いシルエットが特徴。ゆるっと腰で合わせてルーズにはくのも、深い股上を活かしてハイウエストで着用するのも格好いい。テーパードフィットとは違い、ロールアップしても裾がモタつかず、バランス良くまとまるのもいいところ。
岡田 潤(BE NATURAL)=写真(人物) 山本雄生=写真(静物) 石黒亮一=スタイリング yoboon(coccina)=ヘアメイク