ブランド、デザイン、はき心地、素材、加工、値段、etc.……デニム選びのポイントはいろいろだけれど、何にせよ妥協してはいけないのがシルエット。というわけで、シルエットが評判を呼んでベストセラーとなった名作7本を紹介する連続企画。
今回は、21世紀の傑作と言われるディーゼルの「クルーリー」。
ディーゼルのクルーリー
デニム史に残る21世紀の傑作
リーバイスがデニムのオリジンならば、ディーゼルは21世紀の新たなデニムを切り拓いたオリジネイターだ。上質を知る大人たちを満足させるプレミアムデニムのパイオニアであり、依然としてシーンのトップをひた走る。
さらにそのポジションを揺るぎないものとしたのが、2013年に発売されたジョグジーンズである。重厚なデニムと見紛う本格派のルックスとは裏腹に、いざ脚を通すと風合いはソフトで優しく、ストレッチ性も抜群。
まるでスウェットパンツ感覚の快適なはき心地を実現したそれは、“デニム=ゴワゴワと硬い”といった旧来のイメージを覆し、以降のデニムシーンをガラリと変えるほどのエポックメイキングな存在となった。
BACK SIDE
そしてライバルメーカーからもジョグジーンズの後追い商品が続々と登場し、今やコンフォートデニムという価値観は確実に世の中に定着している。なかでも適度にゆとりのある腰回りと太腿から、裾へかけて緩やかにテーパードするキャロット型の「クルーリー」は、通常のデニム版とともに群を抜いた人気を獲得している看板アイテム。
洗練された都会的な薫りを感じさせつつも着る人を選ばず誰にでも似合いやすい。またジョグシリーズでは唯一となるイージーウエストを備えており、ノンストレスな腹回りも多くのファンが支持しているポイントだ。
1978年に設立され、今年で40周年。いわば俺たちと同世代のブランドだけあって、オッサンのツボをよ~くわかっているのである。
街男ユースケと海男マーシーはディーゼルのクルーリーをこうやってはく!
街男ユースケの場合「若い連中にはない品を出す」
格闘技で鍛えた下半身も、このデニムなら気持ちいい。こういうシルエットをパリピ系男子がピタピタではいているけれど、ユースケ的にはNG。「細い」と「ピタピタ」は意味が違うようだ。ちょっと大きめのライダーズとスニーカーを合わせ、大人で優しい雰囲気のバイカーズスタイルがシャレている。
海男マーシーの場合「お得意のコーディネイトに最適」
もう何年もマイベストシルエットとしているスリムテーパードシルエット。しかもリラックス感ある素材だから、こんなサーフスタイルにハマらないわけがない。白いソックスで清潔感を盛り込むのも気分だ。
ディーゼルが作ったニューシルエットモデル
5ポケット&トラウザーズのイイとこ取り! が新しいのだ
軽やかな足元を演出するアンクル丈で、裾が絞られたスリムテーパードモデル「ジファー」は、そのフォルムとリジッドならではのクリーンな雰囲気、さらにステッチで見せるセンタークリースが相まって、5ポケットデニムでありながらトラウザーズ的な大人っぽさも感じさせる。バッチリとストレッチが効いているので、細身のシルエットでもストレスフリーなのがうれしいね。
岡田 潤(BE NATURAL)=写真(人物) 山本雄生=写真(静物) 石黒亮一=スタイリング yoboon(coccina)=ヘアメイク