ブランド、デザイン、はき心地、素材、加工、値段、etc.……デニム選びのポイントはいろいろだけれど、何にせよ妥協してはいけないのがシルエット。というわけで、シルエットが評判を呼んでベストセラーとなった名作7本を紹介する連続企画。
今回は、世界中で最も愛されているロングセラーデニム リーバイス「501」。
「リーバイス ビンテージ クロージングの501」
デニムのオリジンは年代別で楽しむ
世界中すべてのデニムのオリジンといっても過言ではない「501」。同時にそれは、世界中で最もロングセラーなデニムでもある。1873年に誕生し、今年で145周年。これまでの長い長い歩みの中、技術革新やトレンドに呼応して細かな仕様変更やシルエットのマイナーチェンジが繰り返されてきた。
そしてスタイリッシュに磨き上げられた最新のレギュラーモデルへとたどりつき、現在ではそれをカスタマイズしたテーパードフィットなどのほか、ヘリテージラインでは往年のヴィンテージも年代ごとに忠実復刻。そうした豊かなラインナップもまた人気の一因だ。
FRONT SIDE
なかでも1954年発表の1本が緻密に再現された、この「501ZXX」はボタンフライを伝統とする「501」にあって、ジッパーフライを備えている点が最大の特徴。当時、ボタンフライへの馴染みが薄かったアメリカ東部の人々に向けて開発されたというのがその理由だが、のちに新たなロットナンバーが与えられたため、連綿と続く「501」史上で唯一のジッパーフライという特異な存在である。
実用的な機能を持ち合わせていることに加え、歴代の「501」の中では最も細身のシルエットの1つ。現代のファッションに合わせやすいのも多くの支持を集める理由。同じ品番でも時代によってシルエットやディテールに微差があり、コーディネイトや気分、体型に応じてチョイスできるのは、歴史深き「501」ならではの醍醐味といえるだろう。
街男ユースケと海男マーシーは
リーバイス ビンテージ クロージングの501をこうやってはく!
街男ユースケの場合 「僕の基本はノークッションで」
トレンド感のあるシルエットのスプリングコートも、安心感のある501でコーディネイト。丈はノークッションで、流行りの九分にはしない。40代後半のユースケにとって“トレンドの大盛り”は信条ではないのだ。足元もキチッと手入れがされたレザーシューズを。デザートブーツを合わせてもいい。
海男マーシーの場合 「格好つけすぎないのが、好き」
スタイリッシュに攻めるなら1サイズ小さいものもはける。けれど、気持ちいい感じを残したくてこんなサイズ感で、裾の長さも合わせる服も気取らずに。マーシーカジュアルに通底する心得である。
リーバイスが作ったニューシルエットモデル
アイロン不要でも品良くキマる! オトナのスラックス
シワになりにくく、センタークリースが永続的に保たれるパーマネントプレスをウリとして1964年に発売され、アイビーやプレッピーなど上流階級の若者にも絶大な人気を誇った「スタ・プレスト」。新作のスラックス型は、シリーズ初となるデニム素材の採用と併せ、同じく初のアンクル丈のワイドシルエットが今の気分。5ポケットとはまた違う、ツウな1本だ。
岡田 潤(BE NATURAL)=写真(人物) 山本雄生=写真(静物) 石黒亮一=スタイリング yoboon(coccina)=ヘアメイク