2015年春夏シーズンにロエベのクリエイティブディレクターに就任したジョナサン・アンダーソン。彼がロエベのファーストシーズンに提案したフィッシャーマンパンツは、ロールアップの概念を覆した。
丁寧に裏地を当てて折り返した長さは、なんと約20cm。あれから3年が経ち、ピッティ・ウオモやパリコレの会場では、デニムを大胆にロールアップした着こなしが増えてきている。これは間違いなくジョナサンの影響によるものだろう。
OCEANSがリコメンドするのは、裾幅の太いストレートやワイドのデニムを、7〜10cm無造作に折り返すテクニック。ほら、いつもの紺ブレやスエードのブルゾンが新鮮に見えるでしょ?
ロエベとエヴィスの中間の鬼ロールアップが来る!
先に述べたように、現代の“鬼ロールアップ”の牽引者はジョナサン・アンダーソンだ。このもともとは俳優を志していた1984年生まれのハンサムな若者は、既存のものを編集する視点と技術が、30代前半とは思えないほど老獪で個性的である。
その特殊能力は、男女の境目をあいまいにした自身のブランド(JW アンダーソン)より、クリエイティブ・ディレクターを務めるロエベで発揮されている印象が強い。写真のロエベの2018年春夏コレクションを見ればわかるように、フィッシャーマンパンツは絶え間なく進化し続けているのだ。
ジョナサンより前の鬼ロールの歴史を遡ると、山根英彦氏が手掛ける大阪発のエヴィスジーンズに行き着く。’90年代前半から中盤にかけて、ペンキステッチの入ったデニムを“エヴィスばき”と言われた鬼ロールではくのが、日本のティーンの間で大流行したのだ。
で、OCEANSの結論。今最も取り入れやすいのは、やっぱりロエベとエヴィスの中間的な鬼ロールだと思うのだ。ぜひとも本記事のスタイリングを取り入れてみてほしい。
熊谷隆志=写真 菊池陽之介=スタイリング NORI=ヘアメイク