スタイリストとしてだけでなくさまざまな分野で活躍し、オーシャンズ世代の先頭を突っ走る熊谷隆志さん。今回彼が訪れたのは、北海道・旭川。お目当ては、伝統的なジャパニーズ・フライフィッシング「テンカラ」である。
「熊谷隆志のお洒落で悪いか!」を最初から読む男のロマンが詰まった「テンカラ」の美学とは?
テンカラをこよなく愛するネペンテスのチームに同行したのは、今回で2回目。
厳寒の旭川で、熊谷さんは1日10時間、竿を投げ続けた。
「テンカラは餌を使わず、毛鉤を水面に落として魚を釣ります。ニジマス、ヤマメ、イワナ……。初心者の僕がうわー、美味しそうーと言ったらみんなドン引き。彼らは釣った魚をそっと水に戻し、しばらく呼吸させてから放流するんです。まるで救急隊員のように、丁寧に、プロフェッショナルに。40〜50代の屈強な男たちが、太い指で器用に毛鉤を巻き、美しいキャストで黙々と魚を釣る。しばらくすると次のスポットへ向かって無言で歩く。とにかくすべてがクール。これぞ男のロマン! とシビれましたね」。
はたして4日間で熊谷さんの釣果は……たったの3匹。しかし最後に30㎝強の大物を釣りあげたときには、感動して涙がこぼれたとか。
ロマン溢れる「テンカラ」にはこんなアイテムがおすすめ!
ネペンテスが展開するブランド「サウス2 ウエスト8」。その根底にあるクラシックなヘビーデューティー&アイビー精神は、テンカラをはじめとするアウトドアアイテムにも存分に反映されている。機能が優れているだけでなくファッションアイテムとしても存在感たっぷりだ。
ベスト釣竿が2本収納可能なロッドホルダーやポケットが充実したテンカラベスト。
ランディングネット「ワイズカスタム」とコラボしたハンドメイド。タイダイの美しい色に注目。
パーカフードと袖が着脱可能なテンカラパーカは、立体ポケットにより収納力も抜群。
ロッド老舗釣竿メーカー、櫻井釣漁具とコラボしたテンカラロッド“金剛”3.6m。まさに伝統の美術工芸的ロッド。
ブーツ釣りのための機能とスタイリッシュなデザインを両立させたハッチバック ウェーディングブーツ。川の状況に応じてソール交換が可能。
熊谷さんの好きな白樺、黙々と釣りをする男たち、そして厳しい寒さに抱かれながら、テンカラにますますハマっていったもようを、釣りバカ日誌的にお届けした今回。最近はすっかりテンカラ・ロスの毎日を過ごしているんだとか。大の大人をここまでのめり込ませるテンカラ。一度経験してみれば、皆さんもハマるかも。
熊谷隆志(くまがいたかし)
1970年生まれ。渡仏し、’94年スタイリストとして活動開始。’98年以降はフォトグラファーとしても活躍。東京・原宿にあるセレクトショップCPCMのディレクターを務め、ファッションからクラフト、ワークショップなどのモノ・コトを通して、本質的なウェルビーイングを提案している。東京・駒沢ではパーソナルショップ、ウィンダンシーを運営。また、グリーンライフにも造詣が深く、趣味はサーフィン。
熊谷隆志=写真