【特集】オッサンとクリスマス
クリスマスにワクワクしなくなったのはいつからだろう。大人になってから? 結婚してから? それとも子供ができてから? もっとオッサンだってクリスマスを楽しんでいいはずじゃない? 家族のためだけじゃない、オッサンがクリスマスシーズンと聖夜当日を楽しみ尽くすためのヒントをご紹介します!
「
『スナック』という名の愉悦」という連載では、全12回にわたってその魅力を余すところなくお伝えした。
スナックは寂しいオッサンの心を慰めてくれる場所なのだ。ならば、この時期の我々には使命がある。“クリぼっち”となった貴方にも、そうではない貴方にも、「『スナック』という名の愉悦〜聖夜編〜」をお届けせねばなるまい。
聖なる夜にスナックではどんな催しが繰り広げられているのか? 取材に応じてくれたのは、東京・高円寺のスナック「三壺(さんこ)」。
オープンは2013年と比較的最近だが、高円寺界隈の紳士が夜な夜な集う人気店だと聞いている。
繭子ママが「いらっしゃいませ〜」と明るく迎えてくれた。
余談だが、この店がすごいのはスナックなのにホッピーを置いているところだ。ママいわく、「3年ぐらい前に胃潰瘍をやっちゃったのを機に入れたんです。ホッピーなら自分で濃さを調整して作れるでしょ?」。
つい興奮して話が逸れた。本題はスナックのクリスマスイベントだ。
「大体どこのスナックでもイベントはやりますよ。うちは基本的に女の子4人ぐらいで回しているんですが、クリスマスイベントの日は勢ぞろいすることが多いかな」
えっ? ぶっちゃけ、クリスマスは男子とデートをしたり友達と遊んだりしたいのでは? これに対する女の子の答えは「ノー」だった。
「どうしてもという予定がなかったら、喜んで入りますよ。だって、ここでワイワイやったほうが楽しいから。友達の女の子がお客さんとして遊びに来ることもあるし」
内容は毎年異なるが、店が用意した景品が当たるゲームやビンゴ大会などが盛り上がるそうだ。繭子ママが言う。
「クリスマスイベントは、どちらかというとお客さんに日頃の感謝の気持ちを還元するためのもの。だから、料金はいつも通りで、ウェルカムシャンパンやささやかなプレゼントを差し上げています」
スナック業界的には、1万円のパーティー券を売って集客していた時期もあったが、いまはそこまでやる店は少なく、まったりと楽しむスタイルが増えているそうだ。
「ハロウィンはカップルで来るお客さまもいますが、クリスマスはさすがに男性のひとり客がメインですね。うちの場合は女の子のほうが多くなるので、常連の皆さんも楽しんでいただいていると思います(笑)」
こと、クリスマスイベントに関して言えば、今どきのスナックは「客に還元する精神」で「まったりと楽しむ」スタイルが主流のようだ。
お酒を飲みながらそれとなく観察していると、繭子ママは全方位的に目を光らせながら接客に務めている。お客さんたちもじつに楽しそうだ。こんな店で聖夜を過ごすのも悪くない。そう思った。
【取材協力】
三壺
住所:東京都杉並区高円寺南3-54-14
電話番号:03-6383-2723
営業時間:20:00〜2:00
定休日:月、日、祝