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2017.12.10

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新築vs中古、「マンション買うなら中古がお得」の落とし穴


「不動産の噂の真相」を最初から読む
不動産の噂の真相Vol.8
オーシャンズ世代にとって“避けては通れない未来”のひとつに、「住まいをどうするのか」というテーマがある。結婚し、子どもが生まれ、やがて巣立っていく――そんな人生の物語をつむぐ舞台=住まいについて、実は私たちはそこまで深い知識を持っていない。なんとなく周りの意見やメディアの見出しやウワサ話に踊らされてはいないだろうか。この連載では、元SUUMO新築マンション編集長が、世の中に出回っている“不動産のウワサ”について徹底検証。信じるも信じないも、あなた次第です。

見落とされがちだが重要な、新築と中古の意外な差

住宅に関して、日本人は「新築信仰が強い」というのが定説だ。しかし、すでに住宅余剰の日本で、マイホームを探すオーシャンズ世代には、なにがなんでも新築にこだわるという人は、そう多くないのではなかろうか。
実際、筆者がマンション情報誌の編集部にいた数年前、当時マイホーム購入を考えていた30代の後輩の多くは、新築と中古を並行検討していたし、最終的に中古を選ぶメンバーも少なくなかった。彼らが中古を選ぶ理由は、とにかく立地である。
通勤の負担を軽減するため都心にあるオフィスから遠くないエリアに住みたいが、都心近郊は価格相場が高いので新築は相対的に手が届きにくい。希望エリアで必要な広さを確保できる住まいを手に入れるには、多少古くても中古を選ぶのが合理的、というのが彼らの共通認識だった。
同エリアで広さや駅距離などが類似条件なら新築より中古のほうが安く買えて、同予算なら新築より中古のほうがより好立地を選べる。理屈の上では、これは疑いようのない真理であり、中古は良いことづくしに思える。
しかし、実際に家探しをしてみるとわかるのだが、事はそれほど単純ではない。特にマンションの場合、新築と中古とでは家探しのプロセスが決定的に異なり、実はそこに希望に叶う中古を選ぶ難しさが、潜んでいる。
一般的に新築マンションは、まずは「建物全体」という意味の物件を候補に挙げて検討する。候補物件のモデルルームに行けば、事業主が用意した実物大のモデル住戸とマンション全体を説明するパンフレットや詳細な図面、地域の特徴を調べ上げた資料などを見て、じっくり検討できる。
そのうえで、階数や広さや間取りの異なる選択肢から希望住戸を選ぶ。購入するかしないかの意思決定は、あらかじめ決められた販売スケジュールにそって進めればよく、もし同じ住戸に複数の購入希望者がいる場合も決断をせかされることはなく、公平に抽選が行われる。


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