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2017.11.27

あそぶ

アウトドア・インドアどっちでも!初心者も手軽に使える燻製ギア


37.5歳、はじめての燻製vol.4
美味しく楽しめて、工作感がある。しかも、お酒のアテにぴったり。そんなオッサンの欲望を満たしてくれるのが“燻製”。アウトドアではもちろん、自宅でも作ることができて、高い人気を誇る男の趣味である。しかし、はじめの一歩踏み出すにはちょっとしたハードルを感じることも……。そんな燻製初心者へ、最初のハードルを越えるための短期連載をお送りしよう。最終回となる今回は、初心者にもオススメな「燻製ギア」をご紹介!
「37.5歳、はじめての燻製」をはじめから読む

以前は、アウトドア料理のひとつと認識され、一般家庭にとっては日常的なものとは言えなかった「燻製」。しかし、このところ「家庭で作ってみた」、「初心者でも作れた」という話も良く聞くようになった。市場には、そうした需要に答えるような商品が多くならんでいる。
では、初心者はそのなかからどのような製品を選べばよいのだろうか?
水道橋にあるアウトドアをコンセプトにしたカフェ「cafe&ber BASE CAMP」の店長にして11月に「THE男前燻製レシピ77」(山と渓谷社)を上梓した、A-SUKEさんに「初心者におすすめ」の道具を聞いてみたところ……。
A-SUKE。1978年生まれ。自身のアウトドア好きから、同じ趣味の人が出会い、集う場所作りを仕事にしたいと考え、プロダクトデザイナーからアウトドアカフェの代表に転身

スモーカー購入の際に、覚えておきたい「ポイント」

「必要なのは、スモーカー、つまり燻製器とチップ、それだけです。それと実のところ、道具に初心者向け、上級者向けというのは特にありません。燻す食材の種類や大きさ、燻し方、使う頻度などでの向き不向きがあるぐらいですかね」
どうやら、とりたてて「初心者向き」というものはない模様。そこで、スモーカーを選ぶ際の基礎知識として覚えておいて損はないポイントを2つ挙げておこう。
・スモーカーのサイズ
サイズは単に入れられる食材の大きさ、量を左右するだけでない。小さなものは内部の温度が高くなりやすいので、煙をかけながら加熱調理も行う熱燻という燻製方法に向いている。また、サイズが大きくなるほど内部の温度上昇を抑えやすく、より低温でじっくり燻すことが可能になる。
・使わないときのことも考える
買うときは気分が踊っているせいか、意外と見落とされがちなのが「保管」についての利便性。使用時の使い勝手はもちろん大事。しかし、スモーカーは燻製にしか使えない。保管のときにどれだけの場所をとるのかも考慮したい。
以上を鑑み、初心者向け改め「初心者でもお手軽、お気軽な燻製ギア」をA-SUKE氏に紹介いただいた。

初心者でもお手軽、お気軽な燻製ギア

【SOTO(ソト) スモークポット】
5000円/SOTO(新富士バーナー http://www.shinfuji.co.jp/)
新感覚・土鍋タイプのスモーカー。底にチップを入れて、家庭用ガスコンロにかけるだけ。まさに、土鍋料理の感覚で気軽に使えるのがメリット。
<A-SUKEレビュー>
土鍋の保温力を生かし、加熱後に火を止めて余熱で燻すという使い方ができるのもメリットですね。ただコンパクトである分、サンマを1匹丸ごと、といった使い方はできません。
【SOTO(ソト) スライド式組み立てスモーカー たくみ香房】
7980円/SOTO(新富士バーナー http://www.shinfuji.co.jp/)
工具無しで分解、組み立てが可能、コンパクトに収納できる縦型のスモーカー。最下部にチップを入れた皿を置き、バーベキュー用のコンロなどで加熱して燻煙する。[写真右]のように別売りの「スモークダクト」(3500円)を設置すると、場所をとらない燻煙が可能。
<A-SUKEレビュー>
魚やソーセージなど、長さのあるものも吊るして燻すことができます。熱源と食材を離せるので加熱もゆっくり。じっくり燻すことができます。分解、組み立てができることはマメな人にとっては掃除がしやすいというメリットも。僕みたくズボラで、常にスモーカーを出しっぱなしにするほど使う人にとっては分解の必要はないですが(笑)
【スノーピーク コンパクトスモーカー】
9500円/スノーピーク
アウトドアマンにはよく知られた、定番商品。内部のネットが2段式なので、多くの食材を同時にスモークできる。外でも、家でも使え折り畳み式のハンドル付きで持ち運びもしやすい。ただし、公式オンラインストアでは品切れ中(2017年11月25日現在)。購入を検討する場合、大手ネットショップで探すことをおすすめしたい。
<A-SUKEレビュー>
使用感ありすぎてすみません(笑)。これは、私が実際に店で使用しているもの。別にプロ用ではなく、家庭用コンロにかけても使える普通にキャンプ用品として売っています。上の縦型を横に倒した感じですね。
横に長いので、これもサンマなどの魚をそのまま入れることができて使い勝手は良いです。熱源と食材が縦型より近いので火の通りも早いですね。さっと燻す使い方が多い場合はこちらもおすすめです。
【番外】チップは「サクラ」が間違いない

<A-SUKEレビュー>
クルミ、ヒッコリー、リンゴなどなどチップには色々種類があります。肉向け、魚向け、食材との相性で使い分けるのですが、それはあくまで「よく合うか否か」程度の問題。どれを選ぼうと、食材との組み合わせで「マズくなる」ってことはなく、上級者のこだわりとして初めて気にすればいい話です。なので「初心者なら何でもいいよ」と言いたいのですが(苦笑)。何か例を挙げないとむしろ困る、ということもあるでしょう。ここでは香りが強くオールマイティな「サクラ」のチップを一応のおすすめとしておきます。
ちなみに氏の手による著書「THE男前燻製レシピ77」には、初心者にぴったりな簡単なものから本格的なものまで、77の燻製レシピが紹介されている。こちらも参考にすれば、あなたの“燻製初体験”は、きっと幸せなものとなるだろう。
取材・文=宇都宮雅之
写真=澤田聖司
【監修者紹介】
A-suke。アウドドアをコンセプトにしたカフェ「cafe&ber BASE CAMP」代表。アウトドアスポーツ、アウトドア料理の知識を生かし、雑誌への寄稿も多い。また、燻製やフライフィッシングなど各種ワークショップも手がける。

cafe&ber BASE CAMP
住所:東京都千代田区三崎町2-22-8 梨本ビル1F
営業:11:30〜24:30(L.O24:00)
定休日:土・日・祝
03-5213-4884
www.cafe-basecamp.com


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