スニーカーブームがひと段落つき、徐々に革靴への関心が強まっている昨今。ただ、革物の注目株は、何も足元だけじゃない。そこで、革人気に拍車をかけそうな靴以外の革小物をご紹介したい。
「アンド インダストリー×ヴィンテージワークス」のベルト
クラシック服の世界では、5個ある穴の中央でバックルを留めるのが美しいとされている。確かに長すぎたり短すぎたりのベルトの余剰は、服のテイストにかかわらず決して見栄えの良いものではないだろう。でも会食続きで穴1つ増しの腹回りを、「節制せよ」のひと言で切って捨てるのも情がない。そこでこのベルト。
サイドからバックにかけてフック式のアジャスターで長さを調節できるから、フロントのベルトの“顔”は常に一定というわけ。米国産の分厚いレザーとアンティークゴールドのバックルはデニムとの相性も抜群。昨今注目されるシャツやニットのタックインを実践したい人にも推奨したい。
「エッティンガー」のレザーグッズ
質実な英国ブランドが、17年ぶりに新色をリリース。定番コレクションにグレーが加わった。
エッティンガーといえば、チャールズ皇太子のロイヤルワラントを賜る頑固一徹のレザー小物ブランド。実際、「変わらないモノを作り続けるのが俺たちの仕事」と考える職人が集っており、新色追加にもなかなか首を縦に振らないのだという。
ようやく生まれたグレーであるが、その色味はやはり気品に溢れている。メンズウェアの基本色であるというところにも、ブランドの頑固さを感じてしまう。でもそこがいい。
革靴に限らず革物には注目トピックスが目白押し。足元ばかりを見ずに、周りを見渡す余裕が大人には必要だ。そうすれば、今回のアイテムのような魅力的なアイテムで出会えるはず。
鈴木泰之=撮影、鈴木淳子=スタイリング