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2017.11.23

からだ

糖尿病1000万人時代! 「カロリー制限だけ」は時代遅れすぎる

当記事は、「東洋経済ONLINE」の提供記事です。元記事はこちらから。
糖質制限を徹底しましょう(写真 : my room / PIXTA)
先週の11月14日は「世界糖尿病デー」である。9月に発表された厚生労働省の2016年の調査によれば、日本の糖尿病の有病者1000万人、予備群1000万人。合わせて2000万人の「国民病」ともいうべき状況になっている。糖尿病は静かに進行するものの、さまざまな「死の合併症」を招き、人工透析にもつながりかねない恐ろしい病気である。早急な治療、特に適切な食事療法が必要とされる。
この糖尿病の治療食としては、近年「糖質制限食」が急速に広まってきた。その一方で、いまだ「カロリー制限食」を指導する糖尿病専門医も多い。
糖質制限食の第一人者である江部康二氏は、カロリー制限はもはや時代遅れで、糖尿病患者には必ず糖質制限を指導すべきだと主張する。『江部康二の糖質制限革命』の著者でもある江部氏にその論拠を語っていただいた。
糖質制限食で血糖コントロールがよくなる
最初に、糖質制限食の糖尿病への効果について、現在までわかっている事実を整理します。糖質制限食はもともと糖尿病の治療食ですので効果があるのは当然ですが、その効果について、正しい知識を確認しましょう。
まず確かめておきたいのは、糖質制限食を始めると速やかに血糖コントロールが非常によくなることです。これは、血糖値を直接上昇させるのは糖質だけだという生理学的事実によります。血糖値を上昇させる糖質を摂取制限するのですから、食後高血糖を抑えられるのは当然です。
2型糖尿病の患者さんが糖質制限食を始めると、ほぼ全員が食後、空腹時共に血糖値が下がり始めます。食後血糖値は開始直後から下がり、1週間ほどで正常値になります。空腹時血糖値についても徐々に下がり、数週間で正常値になります。
ちなみに糖尿病には、主なものとして1型と2型とがあり、生活習慣病であるのは2型のほうです。ほとんどの糖尿病の方が2型です。
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次に、糖質制限食による治療では、基本的に薬剤の必要性が大きく下がるという利点があります。
2型糖尿病ならば過半数の人で薬剤が不要になり、インスリン注射をしていた人でさえ、約1~2割の人でそれが不要になります。1型糖尿病でも糖質制限食は有効で、インスリンの量を少なめにして血糖コントロールができるので、低血糖が生じにくくなります。
つまり、あまり薬剤に頼ることなく、血糖値を正常にできるわけで、これが糖尿病治療における糖質制限食の最も大切な長所です。
肥満解消によるプラス効果
さらに、糖質制限食は、体重減少にも非常に効果があり、大きな利点となります。そもそも糖質制限食は、ダイエット目的で急速に普及した側面があります。
糖尿病は肥満と関連の深い病気です。予備群や軽症の2型糖尿病の場合、肥満していることでインスリンの効き目が悪くなり、血糖値が高くなっているケースはよく見られます。そのため、肥満をなくすことでインスリンの働きをよくすれば、糖尿病を改善できるわけです。
糖質制限食を始めると、肥満の人は速やかに体重が減り始め、半年から1年で理想体重になります。しかも、理想体重に達した後でやせすぎるということがなく、安定します。
つまり、肥満だけが解消されて、不健康なほどにやせることはないわけです。
糖質制限食は、糖尿病の人の血糖コントロールを薬剤に頼ることなく速やかに改善し、肥満を健康的に解消する。
このことは、4000人を超える高雄病院の症例で確認しているだけでなく、複数の世界的に有名な研究で証明されている事実です。
カロリー制限から糖質制限へ
糖質制限食が登場する以前の医療現場では、糖尿病治療食として「カロリー制限食」が指導されていました。いまだ指導し続けている糖尿病専門医の方もいらっしゃるようです。
このカロリー制限食は、「カロリー制限説」を基にした食事療法です。今まで信じられていたけれど、近年になって誤りだったとわかった健康常識のうち、第1に挙げるべきものがこれです。
「カロリーの摂りすぎが、肥満をはじめとする生活習慣病を増やしている。だから、カロリーを減らせば生活習慣病は改善するに違いない」
これがカロリー制限説です。
そのため、カロリー制限をすれば生活習慣病がなくなると信じられるようになり、先進国ではカロリー制限が健康によいという常識となりました。
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