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2017.11.20

あそぶ

自宅で手軽!「鶏モモの“燻製”焼き」が肉汁&スモーキーで美味


37.5歳、はじめての燻製vol.3
美味しく楽しめて、工作感がある。しかも、お酒のアテにぴったり。そんなオッサンの欲望を満たしてくれるのが“燻製”。アウトドアではもちろん、自宅でも作ることができて、高い人気を誇る男の趣味である。しかし、はじめの一歩踏み出すにはちょっとしたハードルを感じることも……。そんな燻製初心者へ、最初のハードルを越えるための短期連載をお送りしよう。
「37.5歳、はじめての燻製」をはじめから読む
都合20分ほど。料理自体の初心者でも、簡単気軽に作れる。なのに、本格激ウマレシピ!
アウトドア料理、男の料理のイメージがある「燻製」。その風味にはなんともいえない魅力がある。一方、なにやら面倒臭そう、難しそう、といった先入観もあり、実際に始めるにはなかなか初めの一歩が踏み出しにくい面も否めない。
そこで『THE男前燻製レシピ77』(山と渓谷社)を上梓した、A-SUKEさんに手軽かつしっかり燻製感がありながら本格的、それでいて失敗も少ない。
……そんなわがままレシピをご紹介いただいた。

スモーキー&ジューシー
「鶏モモの燻製“焼き”」レシピ

<材料>
鶏モモ肉 1枚
塩 少々
コショウ 少々
ニンニク 一片 (あらかじめスライスにしておく)
オリーブオイル 適量(なければ別の食用油でよい)
<ほか必要なもの>
燻製器(今回は、ガスコンロにかける土鍋型のものを使用)、燻製用チップ(指全部を使ってひとつまみ程度。今回は桜のチップを使用したが、なんでもかまわない)、フライパン、キッチンペーパー
<作り方>
1 下準備
肉は火の通り、味の浸みの面から常温に戻しておく。ニンニクは1片をスライスして準備。その際、焦げやすい中心の芽の部分は取り除くとベスト。焦げても気にしない、ってならそれもアリ!
2 肉の下処理

スジは硬いので丁寧に取る……とお店の味っぽくなるが、気にしないなら取らなくても全然OK! 肉からハミ出た余計な皮、脂肪についても同様
2 肉の下処理2
包丁を立てて使い、先端をブスブスと肉に刺していく。これにより、筋肉の繊維が分断されて焼いても縮みにくくなり、味も入りやすくなる

3 味つけ

塩、コショーを適量振って味付け。途中の燻製時に味が脂とともに落ちてしまうので若干濃いめを意識すること。手のひらで軽く叩いて味をなじませ、そのまましばらく(5分ほど)置く
4 余分な水分を取る

塩の脱水作用により、表面に水が浮いてきているはず。水分は、燻製時に酸味、エグみの元となるので、キッチンペーパーでよく拭き取る
5 燻製準備

燻製器の底に燻製用のチップを敷く。その上に「脂受け」としてアルミ箔を置く
<ポイント>
肉など脂や水分が下に落ちるものを燻す場合は、燻り出したチップが濡れたり、必要以上に燃え上がったりしないように受け皿が必要。といっても、話は簡単。アルミ箔をだいたい燻製器の底と同じぐらいの大きさに切り、ぴったりと密着“させない”ように(チップから上がってきた煙が上まで回るように)、ふわっと被せれば良い。その際、中心が盛り上がる凸型にすると受けた脂、水が下に流れてしまうので中心を少しへこませた凹型にすること
7 燻製開始

脂受けの上に網を渡し、モモ肉を皮面を下にして載せる。皮面を下にするのは、網に焦付きにくくなるため。また、余分な脂を落としてしまう狙いもある。火をつけて、煙が出はじめたのを確認したら蓋をしてそのまま10分待つ
8 燻製終了

10分燻して完成! ではないのがミソ。この段階ではまだ内部に火は通ってないはず。生の肉を中心まで程よく火を通しつつ燻製にもする、というのは初心者にはちょっと難しくなにより時間もかかる。そこで、次にフライパンでの「焼き」に入る
9 油の香りづけ

フライパンに多めのオリーブオイルを入れ火にかけ、1で準備していたニンニクスライスを中に入れる。途中、ひっくり返しつつキツネ色になったあたりで、ニンニクのみ別の皿に取り出しておく
10 焼き〜そして完成!

9のニンニクの風味が移った油はそのままに、肉を皮面から先に焼き始める。真ん中あたりが浮いて来がちなので、しっかりと上から押さえつけながら、両面を満遍なく焼く。
<ポイント>
押さえつけることで余分な脂を絞り出すことができ、また浮いてしまった部分だけ加熱が遅れることも防げる。
焼き終わったら溜まった余計な脂は捨て、先ほど取り出しておいたニンニクをトッピングしてついに完成!
 
さて、そのお味のほどは……。
そもそも燻製は、保存を目的に生まれたもの。そのため、腐敗の元となる水分は極力排除するのが普通だ。これは旨味の凝縮でもあり、それはそれで非常に美味しいのだが、内部に適度な水分を含んだまま仕上がったこちらでは十分なスモーク感がありつつ、溢れ出るジューシーな肉汁も同時に堪能できる。それに、皮のパリパリ感がまたイイ!

……つまり、めちゃくちゃうまい!

鶏モモなんて、決して高い食材じゃないのにそれでいてこのごちそう感ですよ。
うん。やっぱりこれはわがままレシピだ。
「焼いてから燻しても皮パリにはならないんですよね。だからこの順番になっています。普通に塩、コショウしてフライパンで焼いても美味しいですが、そこに燻煙をかけるという一手間が入るだけでこんなに美味しくなる。
保存性は、普通に焼いた鶏モモと変わらないし本来の意味での『燻製』とは違いうけど、燻製の風味は十分に味わえるでしょ。大袈裟にとらえず、スパイスをふりかける、それぐらいの気持ちで気軽に燻製を楽しむことから始めてみてはいかがでしょうか」
–保存を考えなければ、燻製はもっと自由になる。
こんなキャッチコピー、どうですかね。誰かに作ってあげる機会があれば、小さく呟いてみたい。
燻製かくあるべし。そんな決まりにとらわれなければ、もっと気軽に美味しいものが食べられる。固定観念がない初心者であるほど、違和感もなく挑戦できるのがいいですね!
取材・文=宇都宮雅之
写真=澤田聖司
<監修者紹介>
A-suke。アウドドアをコンセプトにしたカフェ「cafe&ber BASE CAMP」代表。アウトドアスポーツ、アウトドア料理の知識を生かし、雑誌への寄稿も多い。また、燻製やフライフィッシングなど各種ワークショップも手がける。

cafe&ber BASE CAMP
住所:東京都千代田区三崎町2-22-8 梨本ビル1F
営業:11:30〜24:30(L.O24:00)
定休日:土・日・祝
03-5213-4884
www.cafe-basecamp.com


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