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2017.10.24

あそぶ

安価で手軽で奥深い。みんな知らないウクレレの魅力と始め方


肩の力を抜いて、ゆったりとしたひとときを過ごす。--大人の男にこそ、そんな時間が必要だ。そんな用途に最適な楽器がある。初心者でも始めやすく、近年の音楽シーンでも注目が集まっているもの。それが、ウクレレだ。
「ウクレレは肩肘の張らない音色と、インテリアにもなる存在感が魅力です。ハワイアンだけじゃなく、スタンダードやジャズもやろうと思えば弾ける奥深い楽器でもありますし。それに、バイオリンとかは綺麗に音を鳴らすのが大変ですけど、ウクレレは持った瞬間からポロンってちゃんとした音が出る。ちょっと下手でも、たどたどしいのがウクレレっていう面があるから、人前にも出やすいですしね」
そう教えてくれたのはukulele studio 七⾥ヶ浜の代表、三井達也さん。ウクレレ講師のほか、ウクレレビルダーとして製作やリペアなども行うスペシャリストだ。
自宅兼教室でレクチャーしてもらった
たしかにウクレレは楽器初心者でも試しやすそう。一生にひとつは楽器を弾けるようになりたい、そう考えていた人にはうってつけの楽器だろう。では、初心者が選ぶべきモデルはどのようなものなのだろうか? というか、そもそもウクレレにはどんな種類があるのだろう?
「大きく分けると、ウクレレはサイズの小さい方からソプラノ、コンサート、テナーという3種類。なかでも、初心者用のウクレレといえば、“ソプラノサイズ”が定番ですね。
じつはソプラノとコンサートの音程はおんなじ。でも、見ての通りスケール(弦長)が違います。だから、同じ音を出そうと思うと、コンサートの方が反発力が強くなる。そういう意味でソプラノの方が抑えやすいため、初心者向けとされているんです。
けれど、男性だったら力も強いし、ギターに比べれば、コンサートでも抑えやすい。だから僕は男性ならコンサートサイズから始めてもいいですねって話をします」
左からソプラノ、コンサート、テナー。ソプラノはイラストレーター・木村敏子さんの絵入り。テナーはプラスチック製のアウトドア・ウクレレ。
また、三井さん自身が作られているものの中では、ソプラノとコンサートの間、ミディアムサイズが特に人気だという。
「このサイズは、ソプラノほど小さくないですが、コンサートくらいの性能が出る。スケールを長めに作っていて弦の張りが強いので、音の反発力が強い。音が伸びてくれるんですね」
[中央]三井さん作のミディアムサイズのウクレレ
初心者向けのウクレレはわかったが、サイズによってどのような使い分けがあるのだろうか?
「ジェイク島袋みたいにメロディを弾きたいならテナーサイズ。ハワイアンをやりたいなら、音が早く止まるソプラノかコンサートサイズ。余韻が残りづらいから、コード演奏には向いているんですよね。あとは、ジャカソロっていうジャンルで、コードをジャカジャカ弾きながらメロディも弾く。それだとソプラノがいいですよ。音がブワンと回らない方が、メロディが立ってきますから」
 

初心者におすすめなのは、1万5000円〜のモデル。安すぎるものは避けたほうがいい

初心者は極端に安いものに手を出すべきではない、と三井さん
なるほど、ゆくゆくは理想の演奏スタイルに合わせたモデルを購入するのが吉ということ。とはいえウクレレの価格もピンキリだ。
「初心者の方は、大体1万5000円位からのウクレレがいいですね。数千円から販売されていますが、作りが簡素で、弦高調整が雑なので、自分でやらなくてはいけないんです。ある程度弾ける人が試し弾きをして安いものを選ぶのはいいですが、初心者にはおすすめできません。具体的なメーカーでいうと、フェイマスというキワヤ商会さんが出しているものが特におすすめです。日本製で価格は2万円程度からです」
 

初心者が始めるべき楽曲は?

弾き語りをしながら教えてくれた三井さん
いざウクレレを手にしたあと、最初に始めるべき曲はなんだろう? 三井さんが弾きながら教えてくれたのが、「Lili’u E (リリウエ)」だ。
「これが教室などでも最初に弾く曲です。コードはCとG7だけ。ハワイ王朝最後の女王・リリウオカウニ(Lili’u o kalani)、彼女の体のそれぞれのパーツを褒め称える歌なんです。佇まいが大好きな私のお人形みたい、から始まって、瞳が輝いているとか、頰がふっくらとしているとか。上戸彩がVISAカードのCMで小さい子にウクレレ教えて! って言って教えてもらっている曲ですね。
あとは、『Kaimana Hila(カイマナヒラ)』というフラダンスでもよく踊られる、ダイヤモンドヘッドを歌った曲。そして、『Ka Uluwei O Ke Kai(カウルヴェヒオケカイ)。これも3つのコードで弾ける。ハワイアンは直接的なコードで、1コーラスという8〜10という短い小節の繰り返しなんです。だから初めて持つ楽器としてはもってこいですよ」
教室に習いに行くのはもちろんいいけれど、自己流でスタートして、それから本格的に、というのもいい。趣味になり、インテリアとしても使える1本、1万5000円から。ゆったりとした時間を過ごす第一歩として、一考の価値がありそうだ。
写真=澤田聖司
取材・文=芋川健
※第7回の募集は終了いたしました。たくさんのご応募ありがとうございました。
【オーシャンズとレジャーの会 第7回イベント】
ゼロからはじめる「ウクレレ講座」
【講師】
三井達也さん(ukulele studio 七⾥ヶ浜代表)
【募集概要】
日時:11月26日(日)
①午前の部
②午後の部
場所:BOMA Tokyo
〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町33-8塚田ビル8F
TEL : 03-3464-2544
※直接会場までお越しください
定員:24名(午前の部/午後の部の入れ替え制)
参加費:
・雑誌OCEANS定期購読者:無料
・一般読者:3000円
*雑誌OCEANS定期購読者の方は、お連れ様1名まで無料です。
*当日会場にて現金でのお支払いとなります。必ずご用意ください。
締め切り:2017年11月1日(水)
*当選者の発表は、メールの発送をもって代えさせていただきます。
 


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