アメリカものもいいけれど、英国ものも捨てたもんじゃない。信頼に足る英国王室御用達アイテムや、長年高い評価を得続ける名品は数知れず。そして今季は、コートやら革靴やら気になるコラボ作がゴロゴロ。浮気の虫が騒いでも不思議じゃない。
「フランク & アイリーン×グレンフェル」のコート
洗いざらしのシャツをさらっと。西海岸生まれのフランク & アイリーンのシャツといえば、そんなイメージでは。その「さらり感」を冬でもと、コラボしたのが英国の老舗アウターブランド、グレンフェルだ。
追求したのはシャツ感覚。ただし防寒力も必須である。でも、高い技術力を持つ同社ならお手のもの。膝上のロング丈ながらややゆとりのあるシルエットのベルテッドステンカラー「キルバーン」をベースに、軽やかで柔軟なメルトンを採用した。着脱可能なライニングはブラックウォッチに変更とさりげない遊びも表現。Tシャツ&デニムにさらっとならぬガバッといきたい。
「クラークス」のコラボシューズ
急に寒くなった今日この頃、夏のサンダルやスニーカーをしまって、足元も秋冬仕様に衣替え、なんて気分じゃない? で、「これいいな」って誰もがきっと言いそうな一足をキャッチした。こちらのクラークスのコラボシューズである。
アンテローブレザーの深みのある色を、ブランドのエクスクルーシブの型で表現したものや、エクスクルーシブのレザーのライニングにスウェット素材を起用したものなど、世話になった昔とはひと味違う作品に仕上がった。
「トリッカーズ」のコラボシューズ
今季は英国ブランドの別注ものが実にいい。トリッカーズのそれも御多分に漏れず。靴作りの本場の風格を、見事に料理。実にええ塩梅だ。
上はさまざまな革を組み合わせたウィングチップ。下はスエードのチャッカブーツにキルトを付けてクラシカルな趣に。その斬新なアプローチにより伝統モデルをアップデイトさせている。
英国の伝統に培われた普遍的なアイテムは完成された美しさが何よりの魅力。だけれど、今の気分にアップデイトされたモノも新鮮で楽しい。甲乙つけがたい両者。さあ、どっちを選ぶ!
鈴木泰之=写真 鈴木淳子=スタイリング