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2017.09.23

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高級ワインがイマイチ…原因はグラス!? 選び方で劇的に変わる!

37.5歳からはじめる家飲みワイン Vol.3
大人の男たるもの、ワインを気取らずに楽しみたい。さらっと友人・知人宅へのお持たせにするのも粋だし、ホームパーティでみんなでワイワイ楽しむのもいい。……けれど、よくよく考えてみたら楽しめるだけの知識がない!? そこでオッサンが知っておきたい“家飲みワイン”のツボを紹介しよう。
仲間と集まってカンパーイ! そんな家飲みのときって、ワインもふだん使いのコップで飲みがちだ。あったとしても、引き出物でもらったグラスぐらい。けれど、「ワインによってグラスを変えるといい」という話はよく聞く。結婚式などで赤、白、シャンパンでグラスを変えているのは見るが、グラスの違いがどう影響するのだろう?
「ワインに使うブドウの品種に応じたグラスを使うことで、ワイン本来の味わいを楽しむことができますよ。リーデルでは、ワインをより香り高くおいしく飲めるよう、それぞれの個性を引き出すためのグラスを提供しています」
そう教えてくれたのは、リーデル・ジャパンの荒沢一也さん。でも、品種ごとと考えると、膨大な数のグラスが必要になりそうで、大変なのでは……。
「確かに種類はたくさんありますが、4つのタイプのグラスを知っておくだけで、十分楽しめます」(荒沢さん・以下同)

荒沢さんが用意してくれたのは、オーストリアのグラスメーカー・リーデル社のグラス4脚。左から、口のすぼまった縦長の「リースリング/ジンファンデル」、口の広い大ぶりな形状の「オークド・シャルドネ」、口のすぼまった大ぶりな形状の「オールドワールド・ピノ・ノワール」、口のすぼまりが緩やかな「カベルネ/メルロ」。いずれもぶどうの品種の名前がついている。
「左から順番に、さっぱりした辛口の白ワイン、こってりまろやかな白ワイン、酸味のしっかりした赤ワイン、渋みのしっかりした赤ワインに合うグラスになっています」
見ているだけでは違いがわからない……。早速ワインを試飲させてもらうことにしたが、テイスティングの前に、荒沢さんからワイングラスに関する豆知識が。
「ワインを注いだ後にグラスを回すと、ワインが空気に触れ、グラスの内側にワインの膜ができて、より香りが引き立ちます。ボウルがもっとも膨らんでいるところより少し下まで注ぎ、ボウル全体を利用して香りを広げるのが、理想的な香りの楽しみ方なんですよ。なみなみと注ぐと香りが広がらないので、オススメできません」

相性の悪いグラスだと、いいワインもおいしく感じられない

まずは、爽やかな白ワインを作る代表的なぶどうの品種リースリングのワインを、「リースリング/ジンファンデル」に。柑橘のような香りが漂ってくる。飲み口もすっきりしていて、酸味と甘みのバランスがとてもいい。
しかし、同じワインを「オークド・シャルドネ」に注ぐと、香りが遠くに感じられる。飲み口も、酸味の刺激ばかりが強い感覚に……。

「味わいが違うのは、舌の上でのワインの流れ方が理由です」(荒沢さん)
口のすぼまった縦長の「リースリング/ジンファンデル」は、顎を上げて飲まないといけないため、直線的にワインが口に入ってくる。そのため、強い酸味がやわらかくなり、甘みをほどよく感じられるのだ。一方、すぼまりが緩やかな「オークド・シャルドネ」は顎を上げずに飲めて、ワインがゆっくりと広がり流れていく。こってりした味わい深いワインだと、よさを感じやすい、というわけだ。
知識を得たところで、次はこってりとした白ワイン、シャルドネを「リースリング/ジンファンデル」に注ぐ。すると、香りにも味わいにもアルコールが強く感じられ、正直おいしくない……。しかし、「オークド・シャルドネ」に注ぐとアルコール臭が抑えられ、トロピカルフルーツの香りに満ち、味わいもまろやか。まさか、ここまで違うとは!

濃厚な赤ワインには、口のすぼまりが緩やかなグラスがベストパートナー


続いて、色調の淡い、繊細なぶどう品種ピノ・ノワールを使ったワインを「オールドワールド・ピノ・ノワール」に注ぐと、赤い果実の甘い香りが立ち、味わいもエレガントで飲みやすい。同じワインを「カベルネ/メルロ」に入れると、香りが薄く、口当たりも渋さが勝るように感じる。
最後は、濃厚な赤ワイン、カベルネ・ソーヴィニヨンを「オールドワールド・ピノ・ノワール」に。香りからは少しも濃厚さが感じられず、口に含むと渋みやエグみが広がる。しかし、「カベルネ/メルロ」に入れると、途端にブドウそのものの香りが際立つ。口当たりも、渋みがありながら味わい深く、満足感がある。
「赤ワインは渋みやエグみが強いと、おいしくないと感じてしまいやすいです。濃厚なものほど、すぼまりが緩やかで大ぶりな形状のものを選ぶことで、渋みやエグみが口に残りにくく、おいしく感じられます」
ちなみに、今回飲み比べをさせてもらったのは、こちらの5本。あっさり系白ワインの代表・シャブリもちょっぴり堪能させていただいた。


実際に飲み比べしたいけど、家にはグラスがない……という人は、イベントに足を運ぶといい。ワインショップ・エノテカ 丸の内店では「グラス・テイスティングセミナー」を定期的に開催中だ。
最後に、「ワイングラスを購入する時は、好きな品種に合うタイプを1脚選ぶところから始めると、入っていきやすいと思います」と、荒沢さんが教えてくれた。
グラスを変えるだけで、ワインの味わいが一気に変化し、さらにそのワインに惚れるに違いない。またひとつ、家飲みワインのレベルが上がってしまったな。
取材・文=有竹 亮介(verb)
ワインショップ・エノテカ 丸の内店
住所:東京都千代田区丸の内3-1-1 国際ビル1F
電話番号:03-5208-8371
営業時間:ワインショップ/11:00~21:00(平日)、11:00~20:00(土日祝)、丸の内ラウンジ/15:00~22:00(土~木)、16:00~23:00(金)
無休(年始を除く)
www.enoteca.co.jp


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