合わせる服を縛らない。これ、休日の革靴に求めたい条件のひとつ。ならば、気取らずサラッと履ける外羽式のプレーントウは打ってつけかもしれない。
装飾を避けた潔いルックス、革靴の緊張をほぐす丸みのあるつま先は、カジュアルなデニムもしっかり受け止める。しかも黒を選べば、汎用性は圧倒的。そんな7つの革靴をご紹介。
N.ハリウッド×ダナー
ダナーといえば、1932年に創業したアメリカの老舗ブーツブランド。同社のもうひとつの“顔”として君臨してきたのがポストマンシューズである。そのアイテムへN.ハリウッドが別注をかけたこちらは、艶やかな光沢を放つガラスレザーを纏いながら、ソールはグリップ力も十分なビブラム社のフラットタンクソール。悪路でもものともしないオールラウンダー。
クレマン
クレマンは、フランスのクレオン社が手掛けるブランドで、ミリタリースペックに基づいたワークシューズを得意としている。本作の「パスタン」は、同国の郵便局員が使用しているもので、悪天候でも安定した歩行をサポートする有能な一足。
エイティーズ
クラシカルな外装と、ブランドの十八番ともいえる厚底スニーカーの要素を取り込んだギャップが見た目にもユニーク。ボリューミーなアウトソールに加え、EVAミッドソールも採用しているため、革靴らしからぬ快適な履き心地。
ワコマリア
精悍な顔つきのこちらのモチーフとなったのは、米国海軍で支給されていたドレスシューズ。1940〜1990年代まで、特別な式典や正装時に着用していたものだ。素材には上質なキップレザーを使い、グッドイヤーウェルト製法で頑強に作られている。
ドクターマーチン
ドクターマーチンの傑作に数えられる3アイレットの通称“ギブソンシューズ”。通常ならば、同社の特徴的なディテールとして知られる極太のイエローウェルトステッチがあしらわれているが、それをすべてブラックにしたことで、一転大人っぽい印象に。
パラブーツ
フランス国内のワーカーたちの足元を支えてきた「キャッスル」。パラブーツの伝統である堅牢なノルヴェイジャンウェルト製法で作られ、素材は雨に強くしかも傷つきにくいリスレザー製とすこぶるタフ。中底に仕込まれたコルクにより長時間の歩行もなんのその。
ユナイテッドアローズ
丸みのあるトウ、ボリュームのあるビブラムソールと、迫力のあるフォルムが最大の持ち味。足のフィット感や歩行への負担をいなす意味でもフィット感にこだわり製作。その全てをイタリアで行っている。
ミリタリーやワークの要素として組み込んだものが多いこともあり、印象としてもはドレス靴よりむしろブーツ。頼り甲斐のあるタフさは休日の足元を支えるだけじゃなく、カジュアルなスタイルともウマが合う。“かしこまらない革靴”を、今秋はぜひ休日靴のレギュラーに。
太田泰輔=写真(人物) 鈴木泰之=写真(静物) 武内雅英=スタイリング YOBOON=ヘアメイク