食料品店にひっそりと存在する、色鮮やかな小瓶が並ぶ一角。それはスパイスコーナー。味や効能を考えながら調合する行為は、工作をしているようでもあり、男心をくすぐるといえるだろう。
そんな世界に魅せられた男のひとりが、東京マサラボーイズとして活躍する高木慎太郎さん。平日は会社員だが、週末はレセプションやイベントでスパイスカレーを振舞うスペシャリスト。そんな彼にスパイスの魅力について教えてもらった。
「もともと、料理を作るのが趣味だったんですが、ある暑い夏の日、無性に辛いものが食べたくなって。レシピサイトで調べて、専門店でスパイスを買い込んでカレーを作ったんです。ただ、レシピの分量を間違えたのか激辛のカレーになっちゃって。でもそれが異様に美味かった。スポーツしたような大量の汗をかきながらかきこみましたよ」
その後、スパイスは面白い、もっと知りたいと思って調べ始めたという高木さん。そこで出会ったのが南インド料理だった。
「南インド料理って、日本人の感覚だとホントに謎なんです(笑)。ミールスという、お米を主食にした定食があるんですが、中央にライスが、その周囲にカレーや副菜が10種類近くもある。それらにはほぼすべてにスパイスが使われている。そんな料理のレシピや歴史を調べて、気づいたらハマってました」
高木さんがこれまでに作ったカレーのバリエーションは50種類以上。また、カレー以外でもスパイスの使い方は多岐にわたり、簡単に取り入れられるそう。たとえば、野菜をスパイスで蒸し煮した「サブジ」や、スパイスや肉・魚で作る米料理「ビリヤニ」などがある。
このほか、カレーにもよく使われるスパイスにおいしさに加えて体調管理に役立つ可能性があるという。アレンジレシピとあわせて学んでみよう。
■ターメリック
別名・秋ウコンとも呼ばれるターメリックは、殺菌作用があるほか、肝機能向上も。
オーソドックスな使い方でいえば、ターメリックライス。炊飯器にバターと塩、ターメリック、ベイリーフ(ローリエ)を入れて炊けば出来上がり。市販のカレーも、これにかければワンランク上の仕上がりに。また、単にじゃがいもをターメリックと塩で炒めるだけでもエスニックな雰囲気を盛り上げる付け合せになる。
■カイエンペッパー(チリペッパー)
唐辛子の粉末、カイエンペッパー。発汗作用や脂肪燃焼作用、消化促進作用もある。夏にうってつけのスパイスだ。
こちらは単体で使う場合、「アチャール」という漬物が簡単でオススメだという。使う野菜は玉ねぎやトマト、ピーマンなど。塩、レモン汁、カイエンペッパーで揉むような感じに混ぜて数時間〜半日くらい漬ければ完成だ。
■コリアンダー
パクチーの種、コリアンダー。整腸作用、デトックス作用も期待できる。胃もたれに悩むオッサンにはうってつけの代物といえるだろう。
ターメリックとカイエンペッパーを合わせれば、スパイス3種でカレーを作ることもできるし、肉や野菜との炒め物にすることも可能だ。
これに加えて、高木さんの日常使いのおすすめスパイスは「フェンネル」。「インド料理屋のレジ横にあるカラフルな“アレ”です。正式名称はソーンフと言います。消化促進やお腹の張りをとることが期待できますよ。僕は胃もたれとかお腹が重いときにティースプーンひとさじくらいを胃薬代わりに飲んだりしています」
スパイスの効能はさまざまで、インドでは体の不調に合わせて配合することも多いという。料理の味を調えるだけでなく、体調も整える、イカした趣味に昇華できるかも!?
■緊急告知! スパイスを学びながら、辛旨カレーを作るイベントを、9月24日(日)に開催!
※募集は終了いたしました。たくさんのご応募ありがとうございました。
【募集概要】
日時:9月24日(日)
①午前の部
②午後の部
場所:STOCK SHARE OFFICE & KITCHEN
〒108-0074 東京都港区高輪2-16-4
都営浅草線 泉岳寺駅 より徒歩3分
JR線/東海道新幹線/京浜急行線 品川駅 より徒歩15分
東京メトロ三田線 白金高輪駅 より徒歩10分
※直接会場までお越しください
定員:計16名前後(午前の部/午後の部の入れ替え制)
持ち物:エプロン
参加費:
・雑誌OCEANS定期購読者:無料
・一般読者:2000円
*雑誌OCEANS定期購読者の方は、お連れ様1名まで無料です。
*当日会場にて現金でのお支払いとなります。必ずご用意ください。
締め切り:2017年9月1日(金)
*当選者の発表は、メールの発送をもって代えさせていただきます