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一方、日本人は1日の中で休むのが上手だ。以前、「フランス人が日本人の働き方に感じる『恐怖』」という記事でも触れたが、お風呂、マッサージ、和食の文化など、短時間でできる体の癒やしをうまく利用していると思う。
フランス人の場合、急いでいるときに食べ歩きをするという不健康な癖があるし、自分の体を大事にすることも忘れがち。こうした日本人の休み方は、休みが少ないときでも耐えるために欠かせない技だと思うし、フランス人もそういうところを見習うべきだと思う。

ちょっと休みがあるとプランを詰め込む日本人

しかし、日本ではちょっと長めの休みができた途端、プランを詰め込むことが多い。ヒマがあれば、事前からいろいろ企画する日本人の生き方に、日本に住んでいた頃の私はかなり悩んだものだ。
一方、フランスでは「今日の午後何してるの? どっか行かない?」とその場で思いついてプランを決めることはよくある。日本語で言うところの「ノリ」というヤツだ(「ノリ」という言葉の存在を初めて知った瞬間はうれしくて仕方なかった)。仕事帰りに友達から「飲みに行かない」と誘われるのはうれしいし、疲れて行きたくなければ、そう返事すればいいだけの話である。
また、週末に、友達がたまたま家の近くで散歩していて「今家にいる? ヒマ? 寄っていい?」とメッセージをくれた場合、よほど忙しくなければ喜んでOKする。極端な話「ノリでプチ旅」も好きだ。休日にノープランだったのに、ちょうど天気もよく、前から気になってる場所(都市、博物館、森、山、レストラン)に行くことを即興的に決めるのも楽しい。こうした「即興的」な出来事は、人生のスパイスになると個人的には思う。
ちなみに、こうした即興的な動きが苦手な日本人は、夜遅くまでやっているコンビニやレストラン、施設など思いつきで出掛けられるたくさんの施設に囲まれて暮らしている。日本の皆さんも、ぜひこの恵まれた環境を生かして、即興性を生活に取り入れてみてはいかがだろうか?
ここまで、フランス人の休み方の良いところを紹介してきたが、フランス人の私には気づかないだけで、日本人には日本人に合った休み方があると思う。日本人にとってベストな休み方について、ぜひ、みなさんのご意見を聞いてみたい。
著者:レティシヤ・ブセイユ(ライター、イラストレーター)
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記事提供:東洋経済ONLINE


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