いきなりトレンドのど真ん中に躍り出た夏服といえば開襟シャツだろう。ランウェイも街角もさまざまなタイプが百花繚乱だ。そんなに注目のアイテムだったらオッサンだって着たくない? とはいえ、何を選んだらいいのやら……というわけで、注目ブランドから届いた新作11枚を一挙公開!
PRADA
プラダ
少しハリのあるコットンポプリンによる立体感。その上にのった、スウェーデンのアーティスト、リーゼロッテ・ワトキンスによるペインティング。構築美&アートというプラダらしいアプローチで生まれた1枚は静謐なムードが涼しげだ。開襟シャツをノーブルに変換させるプラダの手腕に拍手!
JIL SANDER
ジル・サンダー
開襟シャツの醍醐味のひとつといえばリラックス感。トロッとしたレーヨン素材とドロップショルダーによる相乗効果が、その魅力をぐっと引き立てる。そして、それがダラしなさに直結しないのは、グレー×ボルドーという渋い配色のギンガムチェックだから。こういう抜き差し加減はさすがだ。
ANATOMICA
アナトミカ
南国を直球で表現した色柄。ノスタルジーさえ感じる理由は、ハワイで見つけたデッドストック生地を使っているから。大ぶりな襟など、細部も抜かりなくヴィンテージライクな仕上げに。
PORTER CLASSIC
ポータークラシック
ビートニクの作家、ジャック・ケルアックをイメージしたこちらは、1950年代のアメリカンテイスト漂う雰囲気。パッと見は無地に見えるくらいに薄いストライプ柄が清涼だ。
FILMELANGE
フィルメランジェ
“気持ち良さ”にこだわる日本ブランドは肌触りに優れるヨーロッパ産リネンを採用。ヴィンテージアロハ柄をアレンジしたオリジナルパターンをフェイド感を持たせてプリントした。
YSTRDY’S TMRRW
イエスタデイズ トゥモロー
ウォッシュを掛けた柔らかなフランネル地も、ゆとりのあるボックスシルエットも、大きめのボタンも、実はパジャマをベースにデザインしているがゆえ。だから着心地も、眠れるくらいイイ感じ。
ROBERT J. CLANCEY
ロバート・ジェイ・クランシー
1953年創業のハワイアンブランドから、メイド・イン・ハワイにこだわったアロハシャツ。ビビッドな赤いレーヨンボディにハイコントラストで描かれるボタニカル柄が眩しい。
PARADISE FOUND
パラダイス ファウンド
ネイビーボディに同色プリントでボタニカル柄を。シックな1枚を作ったのはパラダイス ファウンド。本場ハワイで超王道と位置づけられるブランドからの意外なアプローチだ。
UNDECORATED MAN
アンデコレイテッド マン
浅めに設計された開襟が、ビギナーに親しみやすさを与える。長めの袖がナチュラルなゆとりを作り、トレンドのブラウンの色みとともに旬のコーディネイトを作ってくれる。
THE NORTH FACE
ザ・ノース・フェイス
‘70Sレトロサーフなキャンピングカー柄とは裏腹に、速乾性や静電ケアなど高機能仕立て。スペックとデザインで魅せるハイ&ローのバランスが秀逸。
NONNATIVE
ノンネイティブ
エポレットや大きめのフロントポケットなど、ミリタリーディテールをネルシャツに搭載。それを開襟で仕上げるという、アメカジ世代にはタマラナイ仕上がりに。ペールピンクも今の気分だ。
ちなみに開襟シャツをおすすめしたいのは、ただトレンドだから、というだけではない。サーフ界の伝説ジェリー・ロペス、無頼派の文豪アーネスト・ヘミングウェイ、そして北野武の菊次郎……etc. そんな、男が憧れる男たちに似合う服でもあるのだ。
国籍も時代もバラバラな彼らに共通するのは“夏が似合う”こと。そして開襟シャツがトレードマークであること。そう、夏の男にとって開襟シャツはある種、ユニフォームなのである。