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2017.06.27

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カツサンドで喜び倍増! ひとりで食べるポジティブフードのススメ


店員の人に愚痴っていたり、ずっとスマホをいじっていたり、さびしいと思われるのが心配だったり……。いやいや、男のひとり飯ってもっと自由で格好いいもんなんです! そこで目指すべきは“グルメ・ヒトリスト”。すなわち自由に食を謳歌する一匹狼です。女性が思わず惚れるような“グルメ・ヒトリスト”を目指すべく、ひとり外食の楽しみ方や振る舞い方を、達人に教えてもらいましょう!「ひとりで店には入れない」なんて後ろ向き。イメージが180度変わる、ひとり飯のすごい世界とは⁉︎
「ゼロから学ぶオッサンひとり飯」を最初から読む
嬉しいことがあったときは、おいしいお酒と食事でお祝いしたくなりますよね。
私は先日、念願の企画が通ったのですが、すぐに友達がつかまらず、ひとりでビストロに入って祝杯をあげました。おいしいシャンパンを飲み、好物のラム肉を食べながら、頑張ってきた経緯を振り返ってみました。こみ上げる喜びとともに、実にいい夜でした!
大勢で「おめでとう!」「よかったね、かんぱ~い!」と、にぎやかに祝う夜も楽しい。でも、いつも大騒ぎしているより、静かにひとりで喜びに浸る時間の楽しさも知っている男性って、素敵だなと思うんです。
本連載のアドバイザーである“外食の達人”本郷さんも、うれしいことがあったとき、ひとり飯に出向くそう。しかも、そのときに決めているルールがあるんだとか! さっそく教えてもらいましょう。
富永:努力が報われたり、うれしい知らせが舞い込んだりしたとき、本郷さんがあえて、ひとりでお祝いする理由とは?
本郷:うれしい気分を継続させるには「お酒とおいしいもの」があるといいと思うんです。自分の体と心を満たしてくれて、それを口にすると楽しい気持ちになる大好きなものを食べて飲むことで、喜びは倍増する。それを思いっきり食べて飲むには、ひとり飯……いえ、「ひとり打ち上げ」が最適だと思います。
富永:ひとり打ち上げ、いいですね! 誰にも邪魔されず、大好きなものを独り占めしていただけます(笑)。嬉しい出来事を思い返しながら食べて飲むのは、幸せな時間ですよね。
本郷:ポジティブな気分のとき、ひとりの時間を過ごすと、元気な自分との対話を楽しめると思います。そんなとき、うれしい気持ちを高めてくれる料理を、僕は「ポジティブフード」と呼んでいます。
富永:ポジティブな気分になれる食べもの、ですか?
本郷:気分が落ちているときに、それを食べると元気で前向きになれる。そして、うれしいときに食べると、喜びを倍増させてくれるという、ラッキーフードのこと。そういうもの、ありませんか?
富永:ありますね! 思い返しただけで、ついニヤニヤしてしまうような食べもの。ちょっと高価で、いつも食べられるわけじゃないものが多いかも。だからこそ特別なときに食べに行って、うれしい出来事とセットで記憶に残したくなります。あと、子供のころによく行っていた洋食屋さんの味も、私にとってのポジティブフード。その味を思い出すだけで、幸せな気持ちが増します。
本郷:ポジティブフードは、思い出があるものがいいんですよ。お店の人との間に嬉しいエピソードがあったり、好きな人と出かけて幸せを感じた思い出があったり。僕はそういうお店を数軒、はしごすることもあって、それを「ポジティブ・クルージング」と名づけています。
富永:どんな流れではしごするんですか?
本郷:いろいろありますよ。カウンターで天ぷらをいただいたあと、モヒート専門のバーに行くこともあれば、魚のうまい居酒屋のあとに、美人ママのいるスナックに行くことも。あと僕は麻婆豆腐研究家でもあるので、クライマックスで最高においしい麻婆豆腐を味わうための流れを組むことも。バーのあと、中華料理をはしごすることもありますね(笑)
富永:幸せなはしご酒ですね!
本郷:ひとりで「気分がいいな」「嬉しい」ってポジティブな感情をゆっくりと味わえるのが、オーセンティックバーです。伝統を感じられる、正統派なバーで、おいしいモスコミュールなんかを飲んで、喜びを噛みしめる。そこで「前飲み」したあとに、大好きなポジティブフードを食べに行く。そういうときのひとり飯は、自己満足でいいと思うんです。思いっきり、喜びに浸ってほしいですね。
本郷さんのポジティブフードのひとつに、銀座でいただける「とっておきのカツサンド」があるそうです。
今回は、そんな“ご褒美店”のひとつを紹介してもらいました!
「銀座8丁目にある老舗のオーセンティックバーです。1954年創業で、僕より10歳年上のバー。バーテンダーは優しく、居心地の良い店です。カクテルがおいしいのはもちろんですが、ここでは2種類のカツサンドがあり、それが絶品なんです」

「至極の和牛カツサンド」はなんと8000円! 豚肉を使った「カツサンド」も、2000円と立派なお値段です!
「とびきり良いことがあったときは、8000円のカツサンドを。少しだけ良いことがあったときは、2000円のカツサンドをいただきます。赤ワインではなく、僕はあえてシャルドネ種の濃いめの白ワインを合わせて乾杯します」
そうそう手を出せないお値段だけれど、その価値はあるお料理を、うれしい出来事があったときにいただく……相乗効果で喜びは倍増するはず。そんな楽しみ方ができる人は、まさに「グルメ・ヒトリスト」ですね。
ちょっといいことがあった、そこのあなた。今夜は大好きな店に、大好きな一品を食べに、ひとりで出かけてみませんか?

「GINZA 1954」
問:03-3571-2008
住:東京都中央区銀座8-5-15 SVAX銀座ビルB1F
営:月~金 18:00~翌3:00、土曜 18:00~0:00
休:日曜
heartman-ginza.jp/1954/
取材・文/富永明子
フリーライター。レシピ本の企画・編集、グルメ記事の執筆など、食に関する仕事のほか、美容やヘルスケア、ダイエットに関する書籍・記事も多数。趣味はクラシックバレエ。
取材協力/本郷義浩
毎日放送プロデューサー。1964年、京都生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、88年毎日放送に入社。「真実の料理人シリーズ」「ラーメン覇王」「ビビビのB級グルメ覇王」「あまからアベニュー」「水野真紀の魔法のレストランR」など、多くのグルメ番組に携わる。番組関連で取材した飲食店はのべ1万軒、プライベートでの食べ歩きも1万軒以上。近年は、世界でただひとりの麻婆豆腐研究家を名乗り「麻婆十字団」を結成。著書に『うまい店の選び方 魔法のルール39』(KADOKAWA)、『自分をバージョンアップする 外食の教科書』(CCCメディアハウス)がある。

『自分をバージョンアップする 外食の教科書』
本郷義浩(CCCメディアハウス)
「外食」を通して世界を広げることが、仕事もプライベートも今より充実させ、自分をバージョンアップさせる! 本郷さん自身の経験をもとに「冒険的外食術」「リーダーとしての外食術」「モテる外食術」など、具体的な外食の方法を解説した一冊。



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